14:15 〜 14:30
[AOS16-03] シャドウグラフカメラと深層学習を用いた動物プランクトン検出モデルの構築

キーワード:沿岸性動物プランクトン、人工知能、画像処理、物体検出
海洋生態系の変動メカニズムを知る上で必要不可欠なことは、食物連鎖の低次に位置する動物プランクトンの時空間分布を把握することである。これまでの調査は、船舶によるプランクトンネットを用いた手法が主であった。しかしながら船舶による現場観測は、その頻度が天候によって左右され、傭船費のため連続観測は難しく、広範囲を一括観測することも難しい。こういった事情から、動物プランクトンの時空間分布を把握するためのデータは、十分に整備・蓄積されていない。この問題に対応するためのシステムの一つとして、シャドウグラフカメラを用いた安価な観測システムの開発が進められている。しかしながら、データ処理と解析に関しては、専門家による属人的な解析に頼っており、収集可能なデータ量がたとえ増加したとしても、その処理や解析量には限界がある。そこで本研究では、シャドウグラフカメラで撮影された画像と深層学習を組み合わせて動物プランクトンを自動検出するモデルの構築を行った。深層学習を基盤として、動物プランクトンの自動検出モデルを構築するには、大量の学習データを準備する必要がある。そこで、駿河湾の沖合の4つの観測点で、2023年の6月〜9月において、各月2回の観測を行い、学習用データの収集を行った。上記の観測で確認された動物プランクトンに対してラベル付けを行い、学習データを作成した。これらのデータを用いて、YOLOv8(https://github.com/ultralytics/ultralytics.git)による動物プランクトンの検出モデル構築し、このモデルの性能と課題を検証することを目的とした。
学習データが多く集まったCopepodaに関しては、解析に実用できるprecisionとrecallの値が得られた。しかしながら、他の分類群に関しては学習データの不足が示唆された。今後の課題として、まず各分類群のサンプルデータの拡充、拡充後の性能検証・評価を行う必要がある。
学習データが多く集まったCopepodaに関しては、解析に実用できるprecisionとrecallの値が得られた。しかしながら、他の分類群に関しては学習データの不足が示唆された。今後の課題として、まず各分類群のサンプルデータの拡充、拡充後の性能検証・評価を行う必要がある。