17:15 〜 18:45
[HCG21-P03] 日本国内の希ガス観測網で観測されたXe-135の発生源推定
キーワード:CTBT、希ガス共同観測プロジェクト、大気拡散、発生源推定
我々のチームは、CTBT国際監視システムの高崎放射性核種監視観測所の運営管理、およびCTBTと共同で実施している希ガス測定プロジェクトの観測装置の管理をしている。これらの観測点では、放射性キセノンが不定期かつ頻繁に観測されており、核実験の探知を確実にするためには、放出源を明らかにすることが非常に重要である。4つのCTBTの監視対象核種Xe-133、Xe-131m、Xe-133m、Xe-135のうち最も検出頻度が高いのはXe-133であるが、半減期が5.2日のため、気象条件によっては東アジアだけでなく欧州等の原子力施設も発生源の候補となり、特定が難しい。一方Xe-135は検出頻度が低いが、半減期が9.1時間と短いため、発生源の特定が比較的狭い範囲に限られる。2年前の本会議では、2021年に観測されたXe-135の一例を対象とした放出源推定を試みた。本発表では、現在までのXe-135検出事象に焦点を当て、日本における放射性希ガスのバックグラウンドに影響を与える可能性のある放出源について議論する。