日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG24] 圏外環境における閉鎖生態系と生物システムおよびその応用

2024年5月26日(日) 13:45 〜 15:00 202 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:加藤 浩(三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター)、安部 智子(東京電機大学理工学部)、篠原 正典(帝京科学大学)、座長:加藤 浩(三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター)、安部 智子(東京電機大学理工学部)、篠原 正典(帝京科学大学)

13:45 〜 14:00

[HCG24-01] 生態系に必要不可欠な生物・遺伝子の解明に向けたゲノム科学的アプローチ

*白澤 健太1 (1.かずさDNA研究所)

キーワード:生態系、ゲノム科学、進化

[背景] DNAシーケンシング技術の進歩により、ゲノム科学は個体だけでなく、生態系内の全生物の遺伝的基盤を明らかにすることができるようになった。この研究の目的は、生態系を確立し維持するのに不可欠な生物や遺伝子を特定することである。
[方法] メダカ(Oryzias latipes)、ミナミヌマエビ(Neocaridina denticulata)、およびハゴロモモ(Cabomba caroliniana)が複数年間にわたり生息していた金魚鉢から水を採取し、4本のフラスコにサンプリングした。微生物を含むこれらの水を、25℃の好気性条件下で、光周期(明期16時間/暗期8時間)で12ヶ月間培養した。培養期間中、毎月水中の微生物からDNAを抽出し、シーケンシング分析を行うことで水中の微生物および遺伝子を同定した。
[結果] 12ヶ月間の培養後、4つのフラスコの水の色は濁ったものから透明なものまでさまざまに変化した。抽出されるDNAの量は水が濁った色から透明な色に変わるにつれて減少し、フラスコ内の微生物が生存または絶滅したことが示唆された。DNAのシーケンシング解析により、フラスコ内の進化に関与する微生物と遺伝子のタイプが明らかになった。
[考察] 本研究の結果は、4つのフラスコ内の微生物が生存または絶滅の異なる方向に進化したことを示しており、濁った水中の微生物は生態系を維持した可能性が考えられた。生態系を確立し維持するための鍵となる遺伝的要因を特定するために、我々はドロップレット技術を使用して生態系のマススクリーニング法を開発している。この成果は、宇宙での持続可能な生態系を新たに確立するための基盤技術となることが期待される。