日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG25] 文化水文学

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)、高橋 そよ(琉球大学)、安原 正也(立正大学地球環境科学部)

17:15 〜 18:45

[HCG25-P01] 浄化槽排水の再生水利用を目指して:浄化槽排水水質向上ユニットの開発

*奥村 大河1亀井 樹1 (1.山梨大学)

キーワード:浄化槽、再生水

中山間地域では生活排水を浄化槽で処理している。浄化槽で処理された排水は管路を通り河川に放流されているが、これを再生水として利用できれば、世帯当たりの水消費量の削減や災害時のトイレ用水などの確保につながる。しかし、浄化槽はその排水を再生水として利用するために設計されていないことから、本研究において排水水質を向上するための浄化ユニット開発を試みた。本報告では山梨県内の一般世帯に設置された合併浄化槽を対象に行った排水水質の実態調査結果を報告する。すべての調査地点の平均全窒素濃度とBOD濃度はそれぞれ8.2 mg/Lと12.3 mg/Lであり、浄化槽排水の基準値を満たした。一方で下水処理水の再利用水質基準に全窒素濃度やBOD濃度に指定はなく、集水域の藻類増殖の発生を抑制するために栄養塩濃度を低減することが求められるのみである。また美観快適性に関連する外観や色度、臭気に基準があるが利用者にとって不快ではないことが求められている。特に美観快適性においては利用者によって評価が変わると考えられ、定量的な基準があることが望ましいと考えられた。この観点から、浄化槽排水水質が河川と同等であれば、利用者が不快に感じることは少ないと考え、この水質を達成する浄化ユニット開発を行う予定である。