日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS08] 地すべりおよび関連現象

2024年5月31日(金) 09:00 〜 10:30 106 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:王 功輝(京都大学防災研究所)、千木良 雅弘(公益財団法人 深田地質研究所)、今泉 文寿(静岡大学農学部)、齋藤 仁(名古屋大学 大学院環境学研究科)、座長:今泉 文寿(静岡大学農学部)、Kongming Yan(Kyoto University)

09:30 〜 09:45

[HDS08-03] 4D LiDAR monitoring of debris flows in Ohya landslide, central Japan

*金子 竜己1、長田 知也2今泉 文寿2、高橋 英成3高山 翔揮2 (1.静岡大学大学院山岳流域研究院、2.静岡大学農学部、3.日本工営株式会社)

キーワード:LiDAR、土石流、大規模崩壊地、三次元点群データ、現地観測

近年,国内外において土石流による被害が多発しており,有効な対策を行う必要がある。そのためにも土石流の発達・停止や水位、流速、礫の流下状況といった土石流の流動特性を理解することは重要である。これまでの土石流の現地観測では,水位やビデオカメラ画像などの一・二次元によるデータの取得が行われてきた。しかしながら,土石流はその流下過程において三次元形状が急激に変化するため、従来の方法では、土石流の流動特性を十分把握できないという課題があった。近年、三次元計測を可能とするLiDAR技術の急速な進歩がみられることから、三次元点群データを活用した流下中の土石流形状や礫の流下状況についての解明が期待されている。そこで本研究では、急勾配渓流における土石流の形状や発達・停止過程を明らかにするため,LiDAR 自動計測システムを構築した。そのうえで,LiDAR 自動計測システムをビデオカメラとともに土石流頻発渓流である静岡県大谷崩内の勾配の異なる2地点に設置した。その結果、2023年8月3日と同月14日に流下する土石流の三次元点群データの取得に成功した。得られた三次元点群データをもとに、土石流流下時の縦横断形状を作成したところ、土石流の飽和・不飽和の状態により異なる三次元形状を呈することが確認することができた。また、土石流段波の停止時には、段波の先頭部から上流へ向けて土砂の堆積が遡上していくバックステッピングを確認することができた。