日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS09] 人間環境と災害リスク

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:佐藤 浩(日本大学文理学部)、畑山 満則(京都大学防災研究所)、中埜 貴元(国土交通省国土地理院)

17:15 〜 18:45

[HDS09-P12] 低価格モバイルLiDARとSLAM技術による崩壊斜面の迅速測量の試み

*佐藤 昌人1 (1.防災科学技術研究所)

キーワード:モバイルLiDAR、SLAM、簡易測量、斜面崩壊

斜面崩壊,土石流などの斜面災害の現場においては,崩壊斜面の形状を把握する簡便な手法として、レーザー距離計などを用いた断面形の簡易計測,UAVとSfM技術を用いた写真測量(以下,UAV-SfM)などが用いられている.より詳細な測量手法としてLiDARを搭載したUAVによる航空測量があるが,現時点では非常に高価な機材が必要となる.また,UAVの飛行にあたっては,周辺の安全確保や法令による制限など注意すべき点が多い.事前準備が必要で,災害現場で即時的に実施できない場合も少なくない.
 本研究では,迅速かつ簡便な計測手法として,低価格モバイルLiDARスキャナとSLAM技術(以下,LiDAR-SLAM)を用いて,崩壊斜面の点群データ取得,数値表層モデル(DTM)作成を試みた.また,RTK-GNSS搭載機を用いたUAV-SfMとの比較・検証を行った.LiDAR-SLAMにより得られた崩壊斜面のDTMは,崩壊源頭部や流走部など植生の少ない領域では,UAV-SfMによるDSMと同程度の精度を有した.ただし,植生が繁茂した領域や凹凸の多い堆積部では,レーザーの影となり点群が欠落しやすく,適切な経路計画など工夫すべき点があることも明らかとなった.