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[HGM03-05] 花崗岩体の内部構造とその地形的表現
キーワード:花崗岩、柱状節理、冷却、コアストン
私たちは今まで、複数箇所で花崗岩体の内部構造と地形について報告してきた。ここでは、それらを整理してまとめる。調査したのは、北から次のとおりである。山梨県瑞牆山、金峰山、地蔵が岳、三重県御在所岳、広島県天狗岩、山口県右田ヶ岳、愛媛県高月山、長崎県対馬,宮崎県大崩山、鹿児島県屋久島,マレーシアのキナバル山,ポルトガルのモンサントである。これらの時代は白亜紀から新第三紀である。これらに共通してみられた特徴は、花崗岩の縁、つまりルーフの下やウォールの近くで柱状節理が発達し、中心部は塊状あるいは平行節理を有することであった。これらの柱状節理は、高角の場合には岩塔を作ることが多い。ウォールの近くでは柱状節理は低角の軸を持つが、従来全く気づかれず、報告もされてこなかった。これは、おそらく,その認定が難しいことによる。講演では、これらの実例を示す。柱状節理に囲まれた石柱にはコアストンが形成されている場合が多く、Hirata et al (2016)が示唆したように、冷却時に柱の内部にコアストンの原型が形作られることを支持している。これらのことから、花崗岩に特徴的な岩塔やコアストンは花崗岩の縁の柱状節理に起因している可能性が高い。
