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[HQR04-P08] 隠岐諸島の堆積物コアでのテフラ同定と放射性炭素海洋リザーバー効果の評価
キーワード:堆積相、放射性炭素年代、テフラ、海洋リザーバー効果
隠岐諸島における火山噴火史を検討するために,島前海士町で得られた沖積層ボーリングコアの堆積相と放射性炭素年代を検討した.これらの分析結果に基づいて,上位から順に,人工土壌,氾濫原堆積物,デルタ堆積物,エスチュアリー堆積物,風化玄武岩を認定した.デルタ堆積物の上部に,アルカリ長石,角閃石,火山ガラス,黒雲母で構成される白色の火山灰層が認定された.この鉱物組成は,約240km北西の鬱陵火山から得られたU-2~4テフラの結果と類似して,鬱陵島で報告されたU-1の鉱物組成と堆積年代と調和する.その反面,今回得られたテフラ層の堆積年代と褐色ガラス片と水月湖で得られたクリプトテフラの解析結果の矛盾は,複数回の噴火を示唆している可能性がある.一方,1,700〜7,800 cal BPの浅海底堆積物の同層準にある6組の陸生植物と海生の貝化石の放射性炭素年代の差異から360±270年の海洋リザーバー効果を検知した.これらの結果は,調査地域から南西に約370kmの博多湾と韓半島で以前に決定された値と類似する.