17:15 〜 18:45
[HTT16-P12] 安定同位体比分析からみるニホンザル幸島個体群の食性の経年変動
キーワード:安定同位体、食性解析、ニホンザル、社会構造
安定同位体比を用いた食性解析は直接観察が難しい対象を扱えることや長期的な食性履歴を追跡できること、さらには非侵襲的なサンプリングでも可能であることなどの利点から生態学で広く用いられている手法である。本研究ではこの分析手法をニホンザルの個体識別された対象に対して用いることで、個体スケールでの食性および社会構造との関係性を明らかにすることを試みた。
宮崎県串間市に生息するニホンザル幸島個体群を対象とし、2021年∼2023年に体毛および食物資源サンプルを採取し、炭素・窒素・硫黄の三元素について安定同位体比分析を行った。その結果、特にこれまであまり先行研究例のない硫黄同位体比により個体群内で明確に同位体比の変動が検出された。さらにこの変動から同位体混合モデルを用いて個体ごとの食性を推定し、これらの個体の性別や年齢、家系、優劣関係などの社会構造との関係性に対しても考察を試みた。
宮崎県串間市に生息するニホンザル幸島個体群を対象とし、2021年∼2023年に体毛および食物資源サンプルを採取し、炭素・窒素・硫黄の三元素について安定同位体比分析を行った。その結果、特にこれまであまり先行研究例のない硫黄同位体比により個体群内で明確に同位体比の変動が検出された。さらにこの変動から同位体混合モデルを用いて個体ごとの食性を推定し、これらの個体の性別や年齢、家系、優劣関係などの社会構造との関係性に対しても考察を試みた。