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[MAG33-P03] 放射性物質の同位体比分析および局所イメージング手法の開発
キーワード:同位体分析、マイクロイメージング、レーザー共鳴イオン化、放射性物質
福島第一原子力発電所の事故や核実験、隕石の年代測定等の惑星科学分野など、同位体分析のニーズが高まってきている。ICP-MSやTIMSといった分析法では高精度な同位体比を求めることができるが、バルク分析であるため、固体局所の情報を得ることはできない。一方でEPMAやTEM-EDXでは、高い面分解能で固体局所の元素分布を観察することができるが、放射性同位体を単独で分析することはできない。二次イオン質量分析法(SIMS)はイオンビームスパッタリングによって発生した二次イオンを質量分析する方法である。固体局所の同位体を分析することが可能であるが、イオンビームスパッタリングではイオン化機構に元素選択性がないため、同重体干渉の問題がある。我々が開発したレーザー共鳴イオン化スパッタ中性粒子質量分析法(R-SNMS)はイオンビームスパッタリングによって発生した中性の原子に対して、2台の波長可変レーザーを用いて励起準位を経ることでイオン化させ質量分析を行う。これにより、目的の元素のみがイオン化し、質量分析によって同位体毎に分析することができる。
R-SNMS法は大きく分けて、独自開発したFIB-TOF-SIMS装置とグレーティング型Ti:Saレーザーの2つからなる。FIB-TOF-SIMS装置では、極めて高い面分解能(最高40 nm)で全元素を同時にイメージングすることができる。また、FIBによりその場で断面加工が可能であり、固体内部の分析も行える。グレーティング型Ti:SaレーザーはFIB-TOF-SIMSとの同期のために10 kHzの高繰り返し率を持ち、かつグレーティングの角度を自動で調整できる。これにより、目的の同位体のみがイオン化する条件に高速かつ自動で切り替えることが可能である。本発表では、福島由来の放射性セシウム等の分析の実例を交えながら、FIB-TOF-SIMSとR-SNMSの装置の特長について紹介する。
R-SNMS法は大きく分けて、独自開発したFIB-TOF-SIMS装置とグレーティング型Ti:Saレーザーの2つからなる。FIB-TOF-SIMS装置では、極めて高い面分解能(最高40 nm)で全元素を同時にイメージングすることができる。また、FIBによりその場で断面加工が可能であり、固体内部の分析も行える。グレーティング型Ti:SaレーザーはFIB-TOF-SIMSとの同期のために10 kHzの高繰り返し率を持ち、かつグレーティングの角度を自動で調整できる。これにより、目的の同位体のみがイオン化する条件に高速かつ自動で切り替えることが可能である。本発表では、福島由来の放射性セシウム等の分析の実例を交えながら、FIB-TOF-SIMSとR-SNMSの装置の特長について紹介する。