09:30 〜 09:45
[MGI29-03] 立方体球面における動径基底関数を用いた高精度移流スキーム
キーワード:力学コア、立方体球面、動径基底関数、メッシュレス法
動径基底関数(Radial Basis Function: RBF)を用いた偏微分方程式の解法(RBF法)はメッシュレス法であり、高精度でありながら比較的簡単に実装できる手法である。地球流体の分野では浅水波方程式モデル(Flyer and Wright 2009)やマントル対流モデル(Wright et al. 2010)に適用されている。節点数の大きなシミュレーションへはRBFを用いて生成された有限差分法 (RBF-generated Finite Difference: RBF-FD)が適用され、浅水波方程式モデル(Tillenius et al. 2015)や地球の大気電気回路(global electric circuit)モデル(Bayona et al. 2015)が開発されている。近年ではRBF-FDの欠点であった飽和誤差(高解像度化しても誤差が収束しない現象)を解消する効率的な手法(Flyer et al. 2016: FET16)が開発され、球面上の移流モデルへと適用されている(Gunderman et al. 2020, Shankar et al. 2018) 。
しかし、FET16を適用した先行研究は2次元である球面を表すために非効率な3次元デカルト座標系を適用している。 そこで本研究では、球面上の偏微分方程式を2次元で解くために立方体球面(Cubed sphere)とFET16の手法を適用した双曲線型偏微分方程式の解法を開発する。
この手法を移流方程式に対して適用し、剛体回転テストケースを用いて開発したスキームの誤差の収束性を調べた。時間積分には古典的ルンゲクッタ法を用い、節点配置は最大行列式節点と正20面体格子を用いた。RBF-FDの精度を決めるステンシルサイズは55で固定し、超粘性は4次を適用した。
実験の結果、誤差は6次の代数的収束を示した。飽和誤差が生じるといわれている40 km以下でも収束性はなまらなかった。誤差の時間変化を確認したところ、立方体の角を通過する際にスパイク状に変化することなく、立方体の角の影響はみられない。
しかし、FET16を適用した先行研究は2次元である球面を表すために非効率な3次元デカルト座標系を適用している。 そこで本研究では、球面上の偏微分方程式を2次元で解くために立方体球面(Cubed sphere)とFET16の手法を適用した双曲線型偏微分方程式の解法を開発する。
この手法を移流方程式に対して適用し、剛体回転テストケースを用いて開発したスキームの誤差の収束性を調べた。時間積分には古典的ルンゲクッタ法を用い、節点配置は最大行列式節点と正20面体格子を用いた。RBF-FDの精度を決めるステンシルサイズは55で固定し、超粘性は4次を適用した。
実験の結果、誤差は6次の代数的収束を示した。飽和誤差が生じるといわれている40 km以下でも収束性はなまらなかった。誤差の時間変化を確認したところ、立方体の角を通過する際にスパイク状に変化することなく、立方体の角の影響はみられない。