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[MGI29-06] 球面調和関数変換ライブラリの開発と, その大気力学研究への応用について
キーワード:球面調和関数変、メカニスティック大気大循環モデル、スペクトル法、最適化
講演者はこれまで, 主に球面調和関数変換に機能をフォーカスした数値ライブラリ(ISPACK)を開発・公開してきた. ISPACKでは, 球面調和関数変換をできるだけ高速に計算するために, キャッシュメモリを意識して, 球面調和関数の緯度方向の関数形であるルジャンドル陪関数を変換と同時に毎回計算するというアプローチをとっている. このアプローチ自体は目新しいものではないが, ISPACKでは, その計算のための漸化式を工夫することによって, 必要な積和算を通常の漸化式に比べて1/3の計算量で済むようにしている. この漸化式は, 他の開発者によるSHTnsやLibsharpといった著名なライブラリにも既に採用されている. また, ISPACKでは, アセンブリコードの直書きによるSIMD命令の最大限の活用も行っている. 本講演では, ISPACKに含まれている以上のような高速化のノウハウについて概説するとともに, その応用例として, 最近, 講演者のグループで開発した, 鉛直方向にもスペクトル法を用いる3次元スペクトル法メカニスティック大気大循環モデルの話題, およびそれから派生した研究として, 2022年のフンガトンガ・フンガハアパイの噴火時に観測されたペケリス波の等価深度の推定に関する話題についても紹介する予定である.