17:15 〜 18:45
[MGI30-P03] データ駆動社会におけるソフトインフラとしての日本域気象再解析および解析雨量再処理データ
キーワード:気象再解析、解析雨量、社会応用、産学官公連携
JSTのCOI-NEXT(共創の場形成支援プログラム)のもとで、東京大学先端科学技術センターを拠点として中村尚教授がプロジェクトリーダーとしてClimCOREと呼ばれるプロジェクトを推進中である。気象庁との共同研究にもとづき現業の5kmメッシュMSMベースの気象再解析(RRJ-ClimCORE)と1kmメッシュ解析雨量の再処理について2001年以降を対象に作成を進めている。RRJ-ClimCOREについては、2022年3月に気象庁で鉛直76層から96層に拡張された現業MSM同化システム(水平5km)に基づくデータ同化を3時間間隔で実施し、その間を1時間間隔の予報値でつなぐ、という形で出力する。解析雨量については、特に海上の解析品質の向上を中心に気象庁の現業のアルゴリズムを改良した上で出力する。
本プロジェクトでは、データ作成のみならずそのデータの社会応用について産学官公連携により取り組んでいる。ClimCOREで作成されるデータは従来の全球再解析(30-40kmメッシュ)よりもはるかに地域のニーズに近いものとなっているものの、エンドユーザーのニーズに応えるためには、このデータを基盤としてさらにダウンスケールや海洋・陸面水文等の再解析を展開していくことがきわめて重要である。
これらの展開においては、気象モデル、海洋、水文、衛星観測、AI/ML等の専門家の関与なくして進めることはできない。このため、最終プロダクトに近い試供版プロダクトをこれら専門家に提供して、エンドユーザーのニーズに近いプロダクトの開発研究を推進したい。特にRRJ-ClimCOREデータにおいては、モデル鉛直面、指定気圧面、等緯度経度座標格子、モデル計算格子、予報変数、解析値、予報値、初期値、物理過程診断量、そしてデータ形式等さまざまな提供の選択肢があり、有限な資源を考慮してこの試供版プロダクトの利用研究の状況から選択肢の絞り込みも必要と考えている。
領域気象再解析と解析雨量再処理データをセットで作成する試みはおそらく世界最初である。これら2つのデータを組み合わせて世界をリードする研究が進められることも期待している。たとえば、線状降水帯をはじめとするモンスーンアジア特有の現象等について、メカニズムの解明から気候変化に伴う長期的動向の把握、多くの事例検証を通じた予測精度向上、AI/MLを活用した社会応用、過去事例を利用した防災対応シミュレーションなどが選択肢として考えられる。また、陸面水文の再解析や近海海洋の再解析においても、気象再解析と解析雨量の双方を活用することのメリットは大きいと考えている。
データ提供できる期間として、RRJ-ClimCOREについては2018年7月から2022年12月まで、解析雨量再処理については、2017年1月から2020年12月までの期間が対象となる。試供版データの提供に際しては、気象庁との共同研究という背景もあり利用目的等を記したデータ利用申請が必要である。まずは、ざっくばらんにこんなことに使ってみたいというご希望を私宛(kenkuma@atmos.rcast.u-tokyo.ac.jp)にメールをお寄せください。
本研究は、JST 共創の場形成支援プログラムJPMJPF2013の支援を受けたものである。
本プロジェクトでは、データ作成のみならずそのデータの社会応用について産学官公連携により取り組んでいる。ClimCOREで作成されるデータは従来の全球再解析(30-40kmメッシュ)よりもはるかに地域のニーズに近いものとなっているものの、エンドユーザーのニーズに応えるためには、このデータを基盤としてさらにダウンスケールや海洋・陸面水文等の再解析を展開していくことがきわめて重要である。
これらの展開においては、気象モデル、海洋、水文、衛星観測、AI/ML等の専門家の関与なくして進めることはできない。このため、最終プロダクトに近い試供版プロダクトをこれら専門家に提供して、エンドユーザーのニーズに近いプロダクトの開発研究を推進したい。特にRRJ-ClimCOREデータにおいては、モデル鉛直面、指定気圧面、等緯度経度座標格子、モデル計算格子、予報変数、解析値、予報値、初期値、物理過程診断量、そしてデータ形式等さまざまな提供の選択肢があり、有限な資源を考慮してこの試供版プロダクトの利用研究の状況から選択肢の絞り込みも必要と考えている。
領域気象再解析と解析雨量再処理データをセットで作成する試みはおそらく世界最初である。これら2つのデータを組み合わせて世界をリードする研究が進められることも期待している。たとえば、線状降水帯をはじめとするモンスーンアジア特有の現象等について、メカニズムの解明から気候変化に伴う長期的動向の把握、多くの事例検証を通じた予測精度向上、AI/MLを活用した社会応用、過去事例を利用した防災対応シミュレーションなどが選択肢として考えられる。また、陸面水文の再解析や近海海洋の再解析においても、気象再解析と解析雨量の双方を活用することのメリットは大きいと考えている。
データ提供できる期間として、RRJ-ClimCOREについては2018年7月から2022年12月まで、解析雨量再処理については、2017年1月から2020年12月までの期間が対象となる。試供版データの提供に際しては、気象庁との共同研究という背景もあり利用目的等を記したデータ利用申請が必要である。まずは、ざっくばらんにこんなことに使ってみたいというご希望を私宛(kenkuma@atmos.rcast.u-tokyo.ac.jp)にメールをお寄せください。
本研究は、JST 共創の場形成支援プログラムJPMJPF2013の支援を受けたものである。