日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI30] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2024年5月31日(金) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、木戸 ゆかり(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

17:15 〜 18:45

[MGI30-P08] 商用電源のない場所からのワンボードマイコンを使用した低消費電力による映像IoT伝送システムについて

*山崎 亮三1村上 雄樹1村田 健史1 (1.国立研究開発法人情報通信研究機構)

キーワード:映像伝送、低消費電力、ワンボードマイコン

Abstract
  地域の見守りや災害監視などの目的において、商用電源のない場所にカメラを設置したい場合には、ソーラーパネルとバッテリーを用いたできるだけ低消費電力で動作する映像伝送システムが望まれ、そのシステム構成について報告する。

1.はじめに
 昨年の本連合大会では、商用電源のない場所からの映像伝送の方法として、ソーラーパネルとバッテリーを電源としたラズベリーパイを使用したシステムについて提案したが、本稿では、ラズベリーパイよりもさらに低消費電力で動作するワンボードマイコンであるArduino 基板を用いた商用電源非使用型の映像伝送システムについて報告する。

2.システム構成
 図1~図5にはそれぞれ、本システムの設置を想定するイメージ図、システム構成図、実際に自立スタンドに取り付けた場合の写真、カメラを内蔵したマイコンボードの写真、バッテリーとチャージコントローラーを収容した防水ケースを示す。
 このシステムでは、マイコンボード上に組み込まれたSPIカメラか外部設置のONVIF対応のIPカメラのどちら一方のみの画像をモバイルネットワーク経由でウェブサーバ上に一定時間ごとにアップロードするように予めプログラムしておく。
 さらにラズベリーパイを用いた映像伝送システムのようにリモートで撮影間隔やカメラ画像の画素数などを変更することはできず、予め直接PCからマイコンボードにプログラムを書き込んでおかなければならないが、ラズベリーパイ単独での消費電力が常時6~8W程度であるのに対して、このシステムでは内蔵カメラを用いた場合でも1W程度で済むため、ソーラーパネルやバッテリーなどのシステム全体をコンパクトにすることができる。
 また内蔵カメラの画像伝送にかかる時間は、1600×1200ピクセルの場合で3分弱であり、最大2048×1536ピクセルの場合には8分程度かかる。

3.今後の検討課題
 ONVIF対応のIPカメラを用いた場合には、カメラのパンチルト操作などはhttp経由で実行することになり、現在そのプログラムを開発中であるため、そのプログラムに基づいた実証実験が今後の課題となっている。

4.まとめ
 商用電源の利用できない場所に災害監視などの目的でIPカメラを設置する方法としてソーラーパネルとバッテリーを用いたワンボードマイコンによる低消費電力の映像伝送システムについての報告を行った。