日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS09] 地球科学としての海洋プラスチック

2024年5月27日(月) 15:30 〜 16:45 303 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所)、川村 喜一郎(山口大学)、岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、土屋 正史(国立研究開発法人海洋研究開発機構 地球環境部門)、座長:磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所)

15:45 〜 16:00

[MIS09-07] 風圧流を考慮した海洋ごみ予報モデルの構築とその精度検証

*福重 大樹1加古 真一郎1,2、種田 哲也1辻本 彰3磯辺 篤彦4 (1.鹿児島大学工学部、2.海洋研究開発機構、3.島根大学、4. 九州大学応用力学研究所)

キーワード:海洋ごみ、漂着予測、粒子追跡実験、風圧流、ウェブカメラ、海岸調査

海洋ごみへの対策を効率的かつ効果的に行う上で,その漂着量や漂着時期を予測することは非常に重要である.そこで本研究は,領域海洋モデルと粒子追跡実験を組み合わせて,東アジア縁辺海における海岸漂着ごみ量予報実験を行っている.また,モデルの精度検証と高精度化のために,島根県出雲市三津町の海岸にウェブカメラを設置し海岸の連続撮影を行うと共に,月一回の海岸調査を行っている.しかしながら,現在使用しているモデル(Kako et al.,2014)は,三津の海岸に漂着するごみに対して最適な風圧流が与えられていない.そこで本研究では,様々な風圧流を用いて粒子追跡実験を行い,実際の海岸に漂着したごみ量と比較することで,モデルの精度検証を行い,最適な風圧流の適用条件について検討も行った.この数値実験では,風圧流を考慮しない漂流実験と,漂流ごみの空中と水中の投影面積比を様々に変化させて風圧流を与える実験を行った.モデルの精度検証には,島根県三津海岸での現地調査結果と,ウェブカメラにより撮影された海岸画像を使用した.その結果,漂着ごみの季節変動や漂着数の急激な増加を再現可能であることが示された.しかしながら,漂着ごみの起因地の割合に関しては,現地観測と異なる点が多いという課題が明らかとなった.講演時には,これらの要因について詳しく述べる.