日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS11] 山の科学

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、奈良間 千之(新潟大学理学部フィールド科学人材育成プログラム)、西村 基志(信州大学 先鋭領域融合研究群 山岳科学研究拠点)

17:15 〜 18:45

[MIS11-P04] 岐阜県北部,六厩盆地における冷気湖の形成と冷気流

*佐々木 明彦1西村 基志2粟澤 徹3,4鈴木 啓助3,5 (1.国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース、2.国立極地研究所、3.信州大学山の環境研究センター、4.Wサミット株式会社、5.大町山岳博物館)

キーワード:冷気湖、冷気流、気象観測、放射冷却、山間盆地

岐阜県北部,高山市六厩地区は,中部地方においてしばしば低温が記録される地域として知られている。六厩盆地は六厩川沿いに細長く広がる0.5km2ほどの小盆地であり,盆地底は標高1000~1020 mに位置し,周囲は比高300mほどの丘陵となっている。この地域に設置されたアメダス六厩では,1978年11月より観測が開始され,日最低気温が-20℃以下となった日はこれまでの45年間に106日記録された。過去の最低気温は1981年2月28日に記録された-25.4℃である。こうした冬季の低温は,盆地底での放射冷却による冷気の蓄積と考えられるが,周囲の丘陵からの冷気流による冷気の蓄積も考えられる。また,冷気湖が形成された後には六厩川の谷に沿って冷気の流出も考えられる。発表者らは,六厩の盆地底に気象ステーションを設置し,気温・湿度,風向・風速,放射収支,大気圧,降水量を観測し,六厩川沿いと盆地の周囲に温度計を設置し気温観測を実施している。本発表ではそれらの気象データを用いて六厩盆地における冷気湖の形成過程について考察する。