日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS13] 大気電気学:大気電気分野の物理現象解明から減災への応用まで

2024年5月28日(火) 15:30 〜 16:45 101 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:菊池 博史(国立大学法人 電気通信大学)、鴨川 仁(静岡県立大学グローバル地域センター)、座長:菊池 博史(国立大学法人 電気通信大学)

15:30 〜 15:45

[MIS13-01] 持続可能なエネルギー供給と極端気象災害の早期警報のための電荷分布リアルタイム3D イメージングと雷活動予測
~マレーシアSATREPSプロジェクト~

★招待講演

*森本 健志1、Bin Ahmad Mohd Riduan2、Bin Baharuddin Mohd Zafri3、高柳 裕次1、秋田 学7工藤 剛史6、山本 和男5王 道洪4、鳥居 建男8 (1.近畿大学、2.マラッカ技術大学、3.テナガ・ナショナル大学、4.岐阜大学、5.中部大学、6.音羽電機工業株式会社、7.電気通信大学、8.福井大学)

キーワード:雷放電、雷観測、電荷分布、ロケット誘雷、リアルタイム3Dイメージング

日本とマレーシアの国際共同研究「持続可能なエネルギー供給と極端気象災害の早期警報のための電荷分布リアルタイム3Dイメージングと雷活動予測」が、国際科学技術共同研究推進事業である地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)で進行中である。本研究は、年間の発雷日が200日を超え、中和電荷量が大きく、電力・通信設備や電気・電子機器への落雷被害の脅威となる正極性落雷が多く発生するマレーシア・マラッカ海峡沿岸地域に、雷の前兆となる雲内の微小放電の開始からその進展路を詳細に観測するVHF帯と、広域の雷活動全体を隈なく観測するLF帯を両輪とする電磁界観測網を構築する。放電がどこで始まり、どのように進展し、どこで終わるのかの3D観測データを高速処理して雲内の電荷分布と中和される電荷量を推定し、高構造物とロケット誘雷で直接計測する雷撃電流波形で検証する。電磁界計測および雷撃電流計測によって、雷放電に関わる空中の電荷挙動を網羅的に捉え、その情報に基づく雲内電荷分布推定と発雷予測を実現する。また、IoTやAIを活用した送配電線網や電力機器の制御や極端気象災害の早期警報の社会実装を進めるとともに、対処療法ではない能動的耐雷・避雷対策について研究する。