日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] 生物地球化学

2024年5月30日(木) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:福島 慶太郎(福島大学農学群食農学類)、木庭 啓介(京都大学生態学研究センター)、山下 洋平(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、大河内 直彦(海洋研究開発機構)

17:15 〜 18:45

[MIS14-P03] 福島県福島市を流れる荒川の水質形成プロセス

*斎藤 あすか1福島 慶太郎1五十嵐 康記2 (1.福島大学 農学群 食農学類、2.福島大学)

キーワード:空間分布、河川水質、酸性、土地利用

福島県福島市を流れる阿武隈川水系の一級河川・荒川は、国土交通省による「水質が最も良好な河川」に13年連続選出されている。しかしながら、その水質形成プロセスについて明らかではない。そこで本研究では、荒川の水質の空間パターンと、水質を決定する要因を明らかにすることを目的とした。目的の達成のため、2023年6月と10月に荒川・松川・油井川を対象に広域的な採水と化学分析を行った。松川・油井川を対象に含めた意図は、酸性が強いと考えられた荒川との比較のためである。本研究では、溶存態のアルミニウムと鉄についても調査行い、水質形成プロセスと関連付けることも本研究の狙いの一つとした。広域採水の結果、荒川中流付近で火山に由来する強酸性の支流河川・須川が合流することで荒川のpHが低下すること、一方で須川のpHが上昇することで溶存していた一部の重金属イオンが荒川河床に沈殿することが観察された。このことから、生物が生息しにくい環境が形成され、国土交通省の水質基準を満たしていることが推察された。