[M-IS16] 惑星火山学

[MIS16-02] 月のマリウスヒルにおける表面年代

*石山 謙¹ (1.東京国際工科専門職大学)

キーワード：マリウスヒル、クレータカウンティング、LRO、かぐや

月の火山活動は，約43.5〜15億年前に，月の表側で顕著に起こっていた[e.g., Morota et al., 2011]．月の表側の広大な面積を有するOceanus Procellarumには特に若い年代に噴出した溶岩が堆積しており，Marius Hillsと呼ばれる火山地形が形成している[e.g., Hiesinger et al., 2003]．Marius Hillsは，262のdome地形や，59のcone地形，20のリルやリッジなどが含まれており[e.g., Huang et al., 2011]，これらの火山地形は，この領域において，極めて火山活動が活発だったことを示唆している．これまでの研究では，Marius Hillsの表面は，複数の溶岩で構成されており，それらの形成年代は先行研究によって大きく異なる：約33〜25億年前[Boyce and Jonnson, 1978]，約11〜7億年[Huang et al., 2011]．そこで，本研究では，クレーターカウンティングに基づいて，Marius Hillsにおける表面年代を推定する．本研究では，NASA/LROおよび他のミッションで得られた月のデータをブラウザ上で地図表示できるLROC quick map [https://quickmap.lroc.asu.edu/]を利用した．はじめに，LRO WACのTiO₂マップ，Kaguya/MIのFeOマップを用いて，Marius Hillsの領域を溶岩ごとに区別した．表面年代はSAOImageDS9で特定したクレータをcraterstats 2.0で統計解析し，Neukum (1984)のモデルを用いて，表面年代を決定した．本発表では，プレリミナリーな結果を報告したい．


LROC Quick Map
[https://quickmap.lroc.asu.edu/]

SAOImageDS9
[https://sites.google.com/cfa.harvard.edu/saoimageds9]

craterstats 2.0
[https://www.geo.fu-berlin.de/en/geol/fachrichtungen/planet/software/_content/software/craterstats.html]