17:15 〜 18:45
[MIS22-P02] 千葉県九十九里海域における湧出ガスの音響技術による探査
キーワード:湧出ガス、メタン、マルチビームソナー、音響技術
九十九里海域では、海底からのガス湧出が知られており(吉田ら, 2007, 2012)、ガス湧出の実態と海洋環境に及ぼす影響の評価が進められ、湧出ガスはメタンが大部分を占めると報告されている(鈴村ら, 2021;Kitamaki et al., 2023)。メタンは二酸化炭素の25倍の温室効果ガスであることから、地球温暖化対策の観点からも現状把握が望まれる。
本研究では、海底地形探査に用いる音響技術(マルチビームソナー、サブボトムプロファイラー等)を利用し、吉田ら(投稿準備中)のガス湧出地図を参考にして、九十九里海域における天然ガス由来の気泡群の湧出状況の把握を試みた。また、海底面から人為的に既知の量のガス(空気)を発生させてマルチビームソナーにより音響データ(水柱後方散乱強度)を取得し、その結果をもとにして海域における天然ガス湧出量の定量的評価を試みた。
マルチビームソナーにより把握できた湧出地点は、吉田らのガス湧出地図の湧出地点とほぼ一致し、各々の湧出地点においては、複数個所から密集した状態で間欠的に湧出していることが明らかとなった。
海底面から複数段階放出させた空気量と水柱後方散乱強度には、正の相関関係が認められ、水柱後方散乱強度から、ガス湧出量の推定が可能と考えられた。そこで、この関係性を一部の湧出地点から得られている水柱後方散乱強度に当てはめ、さらに海域全体の湧出地点に当てはめて湧出量を試算した。その結果、海域全体では、2トン未満/日のメタンが湧出しており、二酸化炭素排出量に換算(地球温暖化係数(GWP):25)すると、1日当りに100万kW級LNG発電所1基分の排出量の数百分の一に相当すると見積もられた。
本研究は、産総研・環境調和型産業技術研究ラボ(E-code)の成果である。
本研究では、海底地形探査に用いる音響技術(マルチビームソナー、サブボトムプロファイラー等)を利用し、吉田ら(投稿準備中)のガス湧出地図を参考にして、九十九里海域における天然ガス由来の気泡群の湧出状況の把握を試みた。また、海底面から人為的に既知の量のガス(空気)を発生させてマルチビームソナーにより音響データ(水柱後方散乱強度)を取得し、その結果をもとにして海域における天然ガス湧出量の定量的評価を試みた。
マルチビームソナーにより把握できた湧出地点は、吉田らのガス湧出地図の湧出地点とほぼ一致し、各々の湧出地点においては、複数個所から密集した状態で間欠的に湧出していることが明らかとなった。
海底面から複数段階放出させた空気量と水柱後方散乱強度には、正の相関関係が認められ、水柱後方散乱強度から、ガス湧出量の推定が可能と考えられた。そこで、この関係性を一部の湧出地点から得られている水柱後方散乱強度に当てはめ、さらに海域全体の湧出地点に当てはめて湧出量を試算した。その結果、海域全体では、2トン未満/日のメタンが湧出しており、二酸化炭素排出量に換算(地球温暖化係数(GWP):25)すると、1日当りに100万kW級LNG発電所1基分の排出量の数百分の一に相当すると見積もられた。
本研究は、産総研・環境調和型産業技術研究ラボ(E-code)の成果である。