日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ40] プラネタリーディフェンス—国際的な取り組みと協力

2024年5月29日(水) 10:45 〜 12:00 102 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:吉川 真(宇宙航空研究開発機構)、Michel Patrick(Universite Cote D Azur Observatoire De La Cote D Azur CNRS Laboratoire Lagrange)、奥村 真一郎(NPO法人日本スペースガード協会)、座長:吉川 真(宇宙航空研究開発機構)、奥村 真一郎(NPO法人日本スペースガード協会)

11:30 〜 11:45

[MZZ40-10] はやぶさ2#のフライバイミッションとプラネタリーディフェンス

*三桝 裕也1吉川 真1津田 雄一1 (1.宇宙航空研究開発機構)

キーワード:はやぶさ2拡張ミッション、小惑星フライバイ、プラネタリーディフェンス

小惑星探査機はやぶさ2は2014年12月に打ち上げられた。このミッションの主目的は、小惑星からのサンプルリターンである。6年のミッション期間を経て、はやぶさ2は2020年12月に無事サンプルを地球に持ち帰ることに成功した。地球に持ち帰ったサンプルの分析は現在も継続しており、複数の目覚ましい化学的成果を挙げている。サンプルの入ったカプセルを地球に送り届けたはやぶさ2本体は、その後も深宇宙の新しい旅へと飛び立った。次の目標天体は、小惑星1998 KY26で、直径が30m程の非常に小さく、自転速度も10分と非常に早い特徴的な天体である。この小惑星への到着は2031年を予定している。その間、はやぶさ2は、2026年に別の小惑星2001 CC21にフライバイミッションを行うことも計画している。元来、はやぶさ2はランデブーミッションのために設計されており、フライバイミッションを行うに当たっては、望遠カメラの性能が十分ではない。そのため、高い軌道誘導精度を以て、非常に近い距離まで接近して観測を行うことを計画している。ここで用いられる高精度の軌道航法誘導技術はプラネタリーディフェンスのアクティビティにも貢献できると期待される。本校では、はやぶさ2拡張ミッションの近況と、フライバイミッションの概要について紹介する。