[M-ZZ41] 地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論

[MZZ41-P05] 日本で最初の理学博士保井コノとMarie Stopes

*矢島 道子¹ (1.東京都立大学)

キーワード：保井コノ、マリー・ストープス、硬化化石、学位

保井コノ(1880-1971)は鉱化化石の研究により、1927年、日本で初めて理学博士号を取得した。どうやって、学位取得が可能になったのだろうか。当時は、外国で学位取得が主であり、日本での学位取得は外国への留学が前提となっていた。保井コノはすでに、1907年に、女子高等師範学校研究科修了し、同校助教授となっていた。1913年に 文部省外国留学生としてドイツおよびアメリカに在外研究し、1914年、アメリカに留学し、1915年、 ハーバード大学の古植物学者、ジェフレー教授に師事し、石炭の研究を開始し、1916年、6月帰国、東京帝国大学，藤井健次郎教授のもとで石炭の研究を開始し、1927年、学位論文［日本産の亜炭，褐炭，瀝青炭の構造について］を東京大学に提出した。この学位取得が可能になったのは、1907年に来日したイギリスの古植物学者マリー・ストープス(1880-1958)の影響が多田井にある。