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[MZZ42-02] 海山における堆積物プルームの分散・堆積の予備的シミュレーション
キーワード:海洋鉱物資源開発、コバルトリッチクラスト、環境影響評価、潮流、内部潮汐、数値シミュレーション
近年、海山において、潜在的な鉱物資源であるコバルトリッチクラストの採掘が検討されている。採掘は海底堆積物を攪乱し、大量の懸濁粒子、すなわち堆積物プルームを発生させ、生態系に影響を及ぼす可能性がある。しかし、海山周辺の複雑な流れがプルームの分散・堆積に及ぼす影響はほとんど調べられていない。本研究では、北西太平洋に位置する平頂海山Scripps Guyotを対象に、流体力学モデリングとプルームの分散・堆積シミュレーションを実施した。プルームの物性や採掘作業は、2020年に海山で実施された小規模掘削試験(Saito et al. 2023 Front. Mar. Sci.; Washburn et al. 2023 Curr. Biol.)の実測データを基に設定した。流体力学モデリングより、海山頂部の潮流は外洋と比べて最大約8倍強くなっていた。潮流の強さは頂部上の位置によって異なり、潮流の強弱によってプルームの堆積距離は最大6.5倍変化した。本研究の結果は、潮流の特性を調べることが海山における採掘の環境影響を評価・予測するために重要であることを示唆している。