日本地球惑星科学連合2024年大会

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[J] ポスター発表

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[O-08] 高校生ポスター発表

2024年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球惑星科学系 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(文部科学省)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

13:45 〜 15:15

[O08-P59] グラウンドの水はけの改善

*山本 奈那実1 (1.福井県立若狭高等学校)

キーワード:水はけ、吸水性、保水性、排水性

本研究の目的は、グラウンドの水はけが悪くなる原因を土の状態や性質から考察し、改善することである。グラウンドの水はけが悪くなる主な原因は、地下に埋められている暗渠パイプの劣化である。しかし、同一のグラウンドでも場所によって水はけが異なることから、土の性質や状態も水はけに関係しているのではないかと考えこの研究を始めた。
〈仮説〉
水はけがいい場所と悪い場所では吸水性・保水性・排水性の3つに違いが見られるのではないか。また、これらの要素の改善が水はけの改善につながるのではないか。
〈実験Ⅰ:吸水性について〉
材料 漏斗、メスシリンダー、ビーカー、グラウンドの土(水はけがいい場所と悪い場所の2箇所3層ずつ、計6種類)
方法①乾いた状態の土100cm³を漏斗に入れ、200mlの水を入れたビーカーを重しとして5分間乗せておく
②100mlの水を流し込み、30秒間継続してでなくなるまで待つ
③100mlと出てきた水の量の差を測定し、吸水した量とする
④①~③を6つのサンプル全てで行う
実験結果
水はけがいい場所 1層目:34ml 2層目:32ml 3層目:34ml
水はけが悪い場所 1層目:34ml 2層目:40ml 3層目:未測定
〈実験Ⅱ:保水性について〉
材料 漏斗、メスシリンダー、ビーカー、グラウンドの土(水はけがいい場所と悪い場所の2箇所3層ずつ、計6種類)
方法①水を含んだ状態の土100cm³を漏斗に入れ、200mlの水を入れたビーカーを重しとして5分間乗せておく
②100mlの水を流し込み、30秒間継続してでなくなるまで待つ
③100mlと出てきた水の量の差を測定し、吸水した量とする
④①~③を6つのサンプル全てで行う
実験結果
測定不可
〈実験Ⅲ:排水性について〉
材料 漏斗、ストップウォッチ、ビーカー、グラウンドの土(水はけがいい場所と悪い場所の2箇所3層ずつ、計6種類)
方法①乾いた状態の土100cm³を漏斗に入れ、200mlの水を入れたビーカーを重しとして5分間乗せておく
②100mlの水を流し込み、30秒間継続してでなくなるまで待つ
③水を入れてから出なくなるまでの時間を測定する
④①~③を6つのサンプル全てで行う
実験結果
水はけがいい場所 1層目:21分11秒 2層目:12分03秒 3層目:3時間12分00秒
水はけが悪い場所 1層目:53分08秒 2層目:25分52秒 3層目:未測定
〈考察〉
同じ場所でも層によって数値が異なる→層ごとに土の種類が違うのではないか
土を採取した2箇所同時期にグラウンドになった→2箇所の土の種類は同じなのではないか
グラウンドの傾きも水はけに関係しているのではないか
保水性が測定できなかった原因
土に水を含ませたことによって粒子が細かくなったことが関係しているのではないか
水を入れた勢いで土が浮き、粒の置きさごとに層ができてしまいそれによる影響があったのではないか
保水性測定時の土の状態が水はけが悪い状態の土に似ている→保水性測定方法の改善が水はけの改善につながるのではないか
〈展望〉
・保水性測定方法を改善する
・グラウンドに使われている土の種類を調べる
・グラウンドの傾きを調べる
・土の観察をする
〈参考文献〉
・秋田県立由利高等学校 伊藤愛 黒木麻瑚 小助川珠歌 嵯峨拓海 佐藤慶也 鈴木彩香「土と植物の関係性」
・多摩市立南鶴牧小学校 関口寿也 CST研修課題レポート「校庭が、なぜぬかるむのか?」
・ようこそ甲子園へ「甲子園のグラウンドの土はなぜ黒い?なぜ天然芝なの?美しいコントラストのヒミツ」