日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG20] 宇宙・惑星探査の将来計画および関連する機器開発の展望

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:桑原 正輝(立教大学)、横田 勝一郎(大阪大学・理学研究科)、坂谷 尚哉(JAXA 宇宙科学研究所)、三谷 烈史(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)

17:15 〜 18:45

[PCG20-P01] SLIM 成果を学んでのUnprecedented Zipangu Underworld of the Moon/Mars Exploration(UZUME)計画

*春山 純一1,2、UZUME ワーキンググループ2 (1.宇宙航空研究開発機構、2.UZUMEワーキンググループ)

キーワード:月、火星、UZUME、縦孔、地下空洞、溶岩チューブ

Unprecedented Zipangu Underworld of the Moon/Mars Exploration(UZUME)は、月や火星の地下空洞に開いたvertical holeを降下し、そのholeの壁や、その底から水平に延びる横穴を探査することによって、以下の情報を得ようとするものである:
1)月や火星といった重力天体の、火山活動(溶岩流被覆)や古代における磁場形成、隕石衝突履歴(レゴリス形成)、そして月面と縦孔底での(温度、放射線、磁場)環境の違いを明らかにする
2)月や火星の地下空洞の環境を把握し、利用可能性を把握し、今後の有人を含む探査・月や火星の拠点建設のための情報を取得、工学的技術の実証を行う
 これまで我々は、JAXA/ISASのもとにWorking Group を設立し、固体ロケットイプシロンで月着陸機を打ち上げ、理学的な成果を得ようとするミッションを検討してきた。また平行して、我々は、より大型のロケットによる打ち上げを行い、月の利用の観点から成果を得ようとするミッションの検討も進めてきた。UZUMEの第一段階として、我々は、縦孔の底に直接降下して探査を行うミッションを検討している。
 今年1月、JAXAの月面着陸ミッションSLIMは、以下の工学技術の実証に成功した:
1)月面に10mより高い精度でのピンポイント着陸
2)小型プローブ(LEV2)から、別の小型プローブ(LEV1)へ(画像)情報の転送
3)小型プローブ(LEV1)から、地球へ(画像)情報の転送
 これらの成果によって、UZUMEの第一段階ミッションの成功の障壁となると考えられていた本質的な工学的課題の多くが、解決された、あるいは解決される見通しが非常に高まった。
 本講演では、UZUMEの最初の段階の探査のミッション、システムなどを紹介し、今後の検討計画を議論するものである。