[P-CG20] 宇宙・惑星探査の将来計画および関連する機器開発の展望

[PCG20-P05] キューブサット搭載用小型・低消費電力プラズマ波受信機の開発

*山本 康輔¹、頭師 孝拓¹、小嶋 浩嗣² (1.奈良工業高等専門学校、2.京都大学　生存圏研究所)

キーワード：キューブサット、プラズマ波動受信器

近年，プラズマ波動観測において，CubeSatが積極的に利用されている．CubeSatは10 cm立方サイズの標準化された超小型衛星で，観測機会の増加と高空間分解能の多点同時観測の実現に重要な役割を果たす．しかし，十分に高性能なプラズマ波動観測装置をCubeSatに搭載することは，装置の大きさや消費電力の問題から困難である．
我々は，CubeSatへの搭載を見据えた超小型かつ省電力な新型プラズマ波動受信器を提案している．この新型受信器は，アナログ回路において観測帯域を3つの周波数帯域に分割し，低周波帯域のサンプリング周波数を下げることでスペクトル観測における消費電力を大幅に低減可能な構成としている．このようなアナログ回路は先行研究で専用集積回路として開発され，従来と比べ大幅に小型化された．回路全体の制御および高速フーリエ変換等のディジタル信号処理は，小型マイクロコントローラーであるRP2040を用いる．RP2040のCPUコアであるCortex M0+は省電力である一方，演算性能は高くない．そのため、新型受信機では、RP2040に搭載されたプログラマブルI/Oと呼ばれるハードウェアでADCを制御している。これにより、ADC制御とFFT計算を並列に行うことができ、効率的な処理が可能となる。現在はブレッドボードモデルの開発中であり，6chのA/D変換とFFTを行う．
発表においては，開発したブレッドボードモデルの詳細と性能評価を行った結果を示す．