17:15 〜 18:45
[PCG22-P03] 太陽系天体を模擬したCH4, C2H4, C2H6低温凝縮微粒子の生成実験および中間赤外イメージング分光測定
キーワード:赤外分光、太陽系天体
炭化水素の低温凝縮微粒子は木星以遠の太陽系天体を中心に存在しており、その相変化や結晶成長を理解することは宇宙化学的に重要である。土星衛星タイタンや冥王星で主要に存在している炭化水素はCH4であるが、C2H4やC2H6も霜や大気中の霧の形で存在していることが明らかにされている。これらの分子はこれまでも実験室において表面温度10-60 Kで凝縮およびアニーリング実験と赤外透過スペクトルの取得が行われた。しかし、それより高温の80-110 Kの環境ではまだ赤外透過スペクトルは確認できていない。また、太陽紫外線による炭化水素の固体の結晶成長の過程は明らかになっていない。この研究ではこれらの問題を解決すべく大気、表面霜を再現した実験室測定を行い、将来的に地上観測結果と比較することが可能な中間赤外スペクトルが得ることを目指す。
本研究では准共通光路波面分割型位相シフト干渉法に基づくイメージングフーリエ変換中間赤外分光器を用い、波長分解能R=100, 空間分解能12 μm, 3 mmφの範囲でこれらの分子の空間二次元の透過吸収スペクトルを測定できるように設計した。これまで使用した光学系及び液体窒素デュアーに小型の真空チャンバー内が接続しているクライオスタット(Koga et al., 2024)を有効活用し、パルスバルブを取り付けガスの流量をコントロールできるようにした。その上で以下の手順で実験を行った。(1)チャンバー内を~10-3 Paまで減圧、(2)赤外透過ZnSeサンプルステージ温度を90 Kまで冷却、(3)減圧を停止して、純粋なC2H4ガスをZnSeに噴霧、(4)その後しばらく放置しながら5分間隔ごとに赤外測定をした。
その結果、C2H6では波長11.7 μmにシングルピークのスペクトル、C2H4では10.4 μm付近にダブルピークの多様な形のスペクトルを同時に取得することができた。しかし、ZnSeプレートが想定した温度よりも冷却しなかったため、昇華が起こってしまい、両者とも20分以内にスペクトルが消失してしまった。そこで、発表までに霜が安定的に存在できるようにこの実験装置を効率よく冷却できるように改良する。そして、200-300 nmまで連続スペクトルを持つD2ランプを光源にして紫外線を照射しつつ、in-situで中間赤外線領域に現れる振動スペクトルの変化を測定する予定である。
本研究では准共通光路波面分割型位相シフト干渉法に基づくイメージングフーリエ変換中間赤外分光器を用い、波長分解能R=100, 空間分解能12 μm, 3 mmφの範囲でこれらの分子の空間二次元の透過吸収スペクトルを測定できるように設計した。これまで使用した光学系及び液体窒素デュアーに小型の真空チャンバー内が接続しているクライオスタット(Koga et al., 2024)を有効活用し、パルスバルブを取り付けガスの流量をコントロールできるようにした。その上で以下の手順で実験を行った。(1)チャンバー内を~10-3 Paまで減圧、(2)赤外透過ZnSeサンプルステージ温度を90 Kまで冷却、(3)減圧を停止して、純粋なC2H4ガスをZnSeに噴霧、(4)その後しばらく放置しながら5分間隔ごとに赤外測定をした。
その結果、C2H6では波長11.7 μmにシングルピークのスペクトル、C2H4では10.4 μm付近にダブルピークの多様な形のスペクトルを同時に取得することができた。しかし、ZnSeプレートが想定した温度よりも冷却しなかったため、昇華が起こってしまい、両者とも20分以内にスペクトルが消失してしまった。そこで、発表までに霜が安定的に存在できるようにこの実験装置を効率よく冷却できるように改良する。そして、200-300 nmまで連続スペクトルを持つD2ランプを光源にして紫外線を照射しつつ、in-situで中間赤外線領域に現れる振動スペクトルの変化を測定する予定である。
