16:30 〜 16:45
[PEM12-20] トンガ火山噴火に伴う大気圏-電離圏変動のシミュレーション研究
キーワード:トンガ火山噴火、大気圏、電離圏、変動、シミュレーション、圧縮性
2022年1月15日に発生したフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の噴火は海洋、大気圏から電離圏領域に至るまで大規模で激しい変動を引き起こした。その結果、多くの興味深い現象が観測され、大量のデータが得られた。また、これらの現象を再現するため、大気圏-電離圏領域を含む数値シミュレーションモデルも開発された。この噴火は従来の噴火に比べて極めてエネルギーの大きいものであったため、衝撃波や音波など大気の圧縮性が重要な役割を担っていたと考えられる。従って、従来の静力学平衡に基づく大気モデルではそのプロセスを定量的に明らかにすることは難しい。我々は、さまざまな大気波動とその電離圏への影響を調べるために、軸対称全球3次元非静力学大気圏モデルと全領域大気圏-電離圏結合モデルGAIAを用いた数値シミュレーションを行った。このシミュレーションでは、非静力学大気圏モデルに火山噴火の領域で人為的に急激な温度変化を与えて、その後の中性風速度変動を求め、その結果をGAIAの背景風に加えることによって、火山噴火に起因する大気圏・電離圏変動を求めた。このシミュレーションの結果、火山噴火に伴う衝撃波や音波、重力波、Lamb波、Pekeris波や、それらに起因すると思われる伝搬性電離圏擾乱、TECや磁場の周期約4分の振動などさまざまな現象が再現された。本発表では、最近のシミュレーション結果を報告するとともに、観測との比較によって火山噴火に伴う大気圏-電離圏の物理現象について議論を行う。
参考文献
Shinagawa, H., Miyoshi, Y. (2024) Simulation study of atmosphere-ionosphere variations driven by the eruption of Hunga Tonga-Hunga Ha'apai on 15 January 2022. Earth Planets Space 76:15.
https://doi.org/10.1186/s40623-024-01960-6
参考文献
Shinagawa, H., Miyoshi, Y. (2024) Simulation study of atmosphere-ionosphere variations driven by the eruption of Hunga Tonga-Hunga Ha'apai on 15 January 2022. Earth Planets Space 76:15.
https://doi.org/10.1186/s40623-024-01960-6