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[PPS07-01] 貫入型観測装置ペネトレータの開発と現状
キーワード:ペネトレータ、地震計、インフラサウンド、南極、ハードランディング
固体惑星への着陸方法は大きく分けると、減速しつつ緩やかに降下するソフトランディングと、減速を行わずに地表面に衝突するハードランディングの二つがある。ハードランディングの一種であるペネトレータは鉛筆型の貫入型観測装置のことで、上空から投下することで人の手によらない観測装置の設置が行える。搭載予定だった月探査ミッションのLUNAR-Aの中止後もペネトレータの開発と運用は続けられており、地球上では火山や南極域などが対象となっている。ペネトレータは広域に観測装置を地中に固定することができるため地震計との相性がよく、月震ネットワークの形成のために開発が行われていたが、元々は拡張性の高い機器である。そのため現在では地震計だけでなく、GPS、ガスセンサー、インフラサウンドセンサーなどとを組み合わせて運用が行われている。南極観測では「南極観測用ペネトレータの開発と白瀬氷河および周辺域での集中観測」(課題番号AH1002)が第64,65,66次隊で採択されており、地震計、インフラサウンドセンサーによる氷震観測、データ送信システムを実装したペネトレータの投下貫入試験におおむね成功している。本発表では、惑星探査のペネトレータの開発と現状と、ペネトレータ搭載可能な地震計とインフラサウンドセンサーの観測結果と機能について紹介する。