日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS09] 月の科学と探査

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:西野 真木(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、鹿山 雅裕(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系)、仲内 悠祐(立命館大学)、小野寺 圭祐(東京大学地震研究所)


17:15 〜 18:45

[PPS09-P07] 地表移動体の探査計画立案・経路可視化プラットフォームの紹介

*伊深 康一郎1出村 裕英2 (1.公立大学法人会津大学大学院コンピュータ理工学研究科、2.公立大学法人会津大学宇宙情報科学研究センター)

キーワード:月、ローバ、月探査、可視化、経路探索、ソフトウェア開発

ローバを用いた月火星探査ミッションの関心の増加に伴い、ミッション達成のためにはローバがどのような経路を移動するかを計画、事前検証する必要がある。ローバーの移動を事前検証する方法には大きく二つあり、地球上の模擬環境で行って換算する手法と、仮想のデジタル模擬環境で行う手法がある。たとえ前者であってもデジタル環境上での検証は必須である。また、ローバ移動経路の計画にはグラフ理論や幾何学に基づいたアルゴリズムが使用されるが、その経路の評価も必須となる。
デジタル上での検証のために、いくつかのシミュレータやツールの開発が報告されているが、これらは一般公開されているものが乏しい。また、経路計画アルゴリズムを比較検証するような環境も未だ少ない。そこで、本研究ではローバを用いた探査計画、また経路計画アルゴリズムのテストを行えるプラットフォームを開発・提供し、研究者がアルゴリズムの工夫に専念できる環境を確立、チュートリアルとしての実装コード例を含めて公開することを目標とする。プラットフォームは各ミッションに対しての汎用的な機能を提供し、ユーザー側が独自に拡張を行う二段階構成になっている。
 チュートリアルとして、Digital Elevation Model (DEM)をレンダリングし経路計画アルゴリズムのシミュレーションができるコードを開発した。比較例として、A*アルゴリズムや人工ポテンシャル法といったいくつかの経路計画を任意の始点と終点で検証できる。計画した経路の距離や、経路上での標高値の変化を可視化してトレードオフが検討できる。加えて、計画した経路候補のランキングシステムも導入した。ランキングシステムは、各種指標とそれを用いた評価関数に基づいて経路の評価・順位付けを行う。
 本ポスター発表で開発物のデモンストレーションを行い、ユーザーからの意見を伺う機会としたい。