日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG47] 地殻流体と地殻変動

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:北川 有一(産業技術総合研究所地質調査総合センター地震地下水研究グループ)、小泉 尚嗣(滋賀県立大学)、笠谷 貴史(海洋研究開発機構)、角森 史昭(東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設)

17:15 〜 18:45

[SCG47-P02] 山陰地方における地震後の温泉水の変動について

*野口 竜也1北川 有一2香川 敬生1、西田 良平 (1.鳥取大学工学部、2.産業技術総合研究所)

キーワード:温泉、水温変化、水位変化、山陰地方

2000年鳥取県西部地震後の2002年より山陰地方では最大で15地点の温泉水の水温(精度0.01 ℃)・水位観測を実施しており,水位・水温の測定インターバルは10秒で1分間の平均値を記録している.2024年2月の時点で3点(鳥取温泉,岩井温泉,湯谷温泉)にて水温・水位観測を継続している.これまでにM6.5クラス以上の地震の地震発生後に水温・水位変化がみられており,2011年東北地方太平洋沖地震,2016年鳥取中部の地震,2024年能登半島地震後には,各観測で特に大きな変動がみられた.変動がみられる際の地震動には,周期1~20秒の帯域で振幅が大きいことがわかっている.ただし,2016年鳥取中部の地震では,他の地震では変化しない地点でも変動が確認され,強震動が強い(最大震度6強)ときは地盤震動による影響も強く出ることがわかった.また,水温変化について,地震後の変化から通常の温度に戻るまでの日数は,温度変化の大きさに対応していた.岩井温泉の水温変化としては,2011年東北地方太平洋沖地震が(1.7℃上昇)227日,2016年鳥取中部の地震が(1.34℃上昇)177日であった.