日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG48] 海洋底地球科学

2024年5月29日(水) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)、田所 敬一(名古屋大学地震火山研究センター)

17:15 〜 18:45

[SCG48-P24] マルチプルコアラーの改造による長尺の不攪乱試料採取の試みⅣ

*亀尾 桂1、竹内 誠1、芦田 将成1黒田 潤一郎1芦 寿一郎1、波多野 泰成2中西 諒3村山 雅史4 (1.東京大学大気海洋研究所、2.高知大学大学院総合人間自然科学研究科、3.京都大学大学院理学研究科、4.高知大学農林海洋科学部)

キーワード:マルチプルコアラー、改造、長尺、海底表層堆積物

マルチプルコアラーは、海底面付近の表層堆積物を不擾乱で採取することが可能であり、生物学・地球化学・地質学に必要不可欠な観測機器である(たとえば池原,1993)。現在、60cmの採泥管を使い約30cmの表層堆積物を採取する仕組みであるが、さらに長い表層堆積物を採取したいとする要望も多い。そのため、東京大学大気海洋研究所で運用されているマルチプルコアラー(株式会社離合社製)の改造を行い、従来品より延長した採泥管(長さ100cmまたは140cm)を取り付け、長尺の試料採取を試みている。アームの長さやバネの強度、付加荷重錘部の重量に改造を加え、研究航海で繰り返し試験を行い60cm以上の表層堆積物を採取してきた。また、マルチプルコアラーのフレームに自己記録式深海カメラを装着し、海底での採泥器の作動や採泥状況を確認してきた。
 たとえば、北西太平洋域(水深約6000m)では、通常のパイプ長では30cmの酸化層の堆積物であったが、100cmのパイプを使用することで60cmの酸化より下位の還元層の堆積物が採取された。また、久慈沖(水深約4200m)では、マルチプルコアラー、グラビティコアラー、ピストンコアラーの3種類の採泥器を用いて、海底表層堆積物の採取状況を比較した。今回は、それらの結果と採取された堆積物について報告する。
引用文献
池原研(1993)マルチプルコアラー,不擾乱表層堆積物採泥器:特に,海水―海底境界の研究のために,
堆積学研究会報,39,85-89