17:15 〜 18:45
[SGD02-P06] 2012年以降の駿河トラフ沿いのプレート間すべりの時空間変化
キーワード:SS、東海、駿河トラフ
要旨
駿河トラフ沿いのGNSSデータを用いて、2012年以降の駿河トラフ沿いのプレート間滑りを推定した。その結果、2013-2017年にかけて東海SSEが発生し、2017-2020年に志摩半島SSEが続き、2022年以降渥美半島を中心としてSSEが発生している。渥美半島のSSEは、2023年7月頃から東海SSEの領域に拡大し、東海空白域のDCFSは増加している。2000-2005年、2013-2017年及び2023年の事例から、東海SSEの発生間隔は、10-13年程度、継続時間は5年程度と推定される。
はじめに
東海空白域に隣接して東海SSEが2000-2005年に発生している。その後、東北地震後2012年以降南海トラフ沿いの領域で3度遷移的な地殻変動が検出された。2011年東北地方太平洋沖地震の影響を粘弾性変形として補正すると共に、駿河トラフ沿いの解析を行い、2012年以降のプレート境界面の状態の時空間進化を推定した。
解析方法
2011年の東北地方太平洋沖地震の粘弾性変形を、Suito (2017)の結果に従って補正し、2020-2022年の一次トレンド及び周期性分を元データから除去している。140点のGNSS観測点の三隅観測点に対する東西、南北、上下成分を時間依存のインバージョンに使用した。プレート形状はHirose (2008)に基づき2つの三角形要素からなる矩形要素で表している。解析期間は2012年1月~2023年12月までとした。滑り角はプレートの沈み込みの逆方向に固定している。共通誤差成分は推定除去している。
結論
時系列データからは、東北地震以降、南海トラフ域で3度遷移的な地殻変動が検出された。時間依存のインバージョン結果は、2013-2017年に東海SSEが東海の地震空白域に隣接して発生していることを示唆する。先行研究では東海SSEの発生・終了時期が明瞭でなかったが、粘弾性補正することにより、精度よく発生・終了時期が見積もられた。志摩半島SSEが2017-2020年に推定された。Kobayashi and Tsuyuki (2018)では2017-2018年にSSEが発生していると報告されているが、本研究により2020年までSSEが継続していたことが分かった。2022年から渥美半島を中心として、SSEが発生している。渥美半島SSEは、2023年7月以降東海SSEの領域にすべりが広がっており、東海空白域のDCFSが増加している。
2000-2005年、2013-2017年及び2023年の事例から、東海SSEの発生間隔は、10-13年程度、継続時間は5-6年と推定される。
駿河トラフ沿いのGNSSデータを用いて、2012年以降の駿河トラフ沿いのプレート間滑りを推定した。その結果、2013-2017年にかけて東海SSEが発生し、2017-2020年に志摩半島SSEが続き、2022年以降渥美半島を中心としてSSEが発生している。渥美半島のSSEは、2023年7月頃から東海SSEの領域に拡大し、東海空白域のDCFSは増加している。2000-2005年、2013-2017年及び2023年の事例から、東海SSEの発生間隔は、10-13年程度、継続時間は5年程度と推定される。
はじめに
東海空白域に隣接して東海SSEが2000-2005年に発生している。その後、東北地震後2012年以降南海トラフ沿いの領域で3度遷移的な地殻変動が検出された。2011年東北地方太平洋沖地震の影響を粘弾性変形として補正すると共に、駿河トラフ沿いの解析を行い、2012年以降のプレート境界面の状態の時空間進化を推定した。
解析方法
2011年の東北地方太平洋沖地震の粘弾性変形を、Suito (2017)の結果に従って補正し、2020-2022年の一次トレンド及び周期性分を元データから除去している。140点のGNSS観測点の三隅観測点に対する東西、南北、上下成分を時間依存のインバージョンに使用した。プレート形状はHirose (2008)に基づき2つの三角形要素からなる矩形要素で表している。解析期間は2012年1月~2023年12月までとした。滑り角はプレートの沈み込みの逆方向に固定している。共通誤差成分は推定除去している。
結論
時系列データからは、東北地震以降、南海トラフ域で3度遷移的な地殻変動が検出された。時間依存のインバージョン結果は、2013-2017年に東海SSEが東海の地震空白域に隣接して発生していることを示唆する。先行研究では東海SSEの発生・終了時期が明瞭でなかったが、粘弾性補正することにより、精度よく発生・終了時期が見積もられた。志摩半島SSEが2017-2020年に推定された。Kobayashi and Tsuyuki (2018)では2017-2018年にSSEが発生していると報告されているが、本研究により2020年までSSEが継続していたことが分かった。2022年から渥美半島を中心として、SSEが発生している。渥美半島SSEは、2023年7月以降東海SSEの領域にすべりが広がっており、東海空白域のDCFSが増加している。
2000-2005年、2013-2017年及び2023年の事例から、東海SSEの発生間隔は、10-13年程度、継続時間は5-6年と推定される。