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[SGD02-P14] 2011年東北地方太平洋沖地震の余効変動に伴う地上重力変化のモデル計算:予備的解析

キーワード:余効変動、粘弾性変形、重力変化、2011年東北地方太平洋沖地震
巨大地震の発生後には、余効すべり・粘弾性緩和・間隙弾性反発などに伴って余効地殻変動がしばしば観測される。特に、2011年東北地方太平洋沖地震(以下、東北沖地震)では余効地殻変動データを用いて数多くの解析が実施され、それにより複数の余効変動モデルが構築されてきた(e.g., Sun et al., 2014; Yamagiwa et al., 2015; Fujiwara et al., 2022)。また、大地震後には余効的な地上重力変化が観測されることがあり、東北沖地震においても地震後3年間で最大40 microGalの余効重力変化が観測された(大久保ほか, 2017)。しかし、多くの余効変動解析は地表変位データのみを扱っているため、このような地表変位に基づく余効変動モデルが重力変化観測データを十分に再現できるかは不明である。そのため、既存の余効変動モデルにおける重力データの再現性についてはいまだ検討の余地があり、将来的には地表変位だけでなく重力変化も考慮した余効変動モデルを構築する必要がある。
東北沖地震後の地上重力変化を議論している研究はこれまでにいくつか存在する。例えば高木(2018)は、絶対重力計によって取得された重力観測データ(大久保ほか, 2017)のうち2014.5年以降の長期的な重力変化がMaxwell粘弾性体による粘弾性変形で再現できることを示した。この際、高木(2018)は地下粘弾性構造を試行錯誤的に探索した結果として、アセノスフェアの粘性率を5×1018 Pa sと設定している。また、Tamura et al. (2023)は国立天文台水沢の超伝導重力計で取得された2014年以降の重力連続観測データから余効重力変化を抽出し、その時間変化の特徴から実際の粘性率が2×1018 Pa s程度である可能性を示した。ただし、Tamura et al. (2023)は高木(2018)のモデル計算結果と比較することで粘性率を推測しており、彼らがこの値を用いてモデル計算を実施したわけではない。
以上のように、東北沖地震に伴う2014年以降の余効重力変化はMaxwell粘弾性体による粘弾性変形で再現できることが分かってきたものの、余効重力変化については依然として未解明な部分が残されている。例えば、高木(2018)は余効すべりと粘弾性変形による重力変化を計算し、それぞれの効果による重力変化の計算値が逆符号となる場合があると指摘した。また、高木(2018)は2014年以前に観測されていた重力変化を十分に再現できておらず、この期間の地上重力変化の物理メカニズムは十分定量的に解明されていない。さらに、高木(2018)とTamura et al. (2023)では異なる粘性率の値が提示されており、複数の重力データを説明するような最適な粘弾性構造を検討する必要がある。
そこで本研究は、地上重力変化を説明できるような東北沖地震の余効変動モデルを構築するために、複数の条件設定で地上重力変化の数値計算を行い、実際に東北沖地震後に観測された地上重力変化と比較する。余効重力変化の数値計算では、自己重力・層構造・球対称地球の条件下における粘弾性変形(Zhou and Wang, 2023)考慮した上で、粘弾性構造や地震時すべり分布に対して複数のパターンを検討する。また、比較対象となる地上観測データには東北・関東地方の5点(水沢・江刺・仙台・本庄・つくばね)で取得された絶対重力観測データ(高木, 2018; Tamura et al., 2023)を用いる。本発表では複数の重力変化計算結果を示し、余効重力変化を引き起こす原因としてどのようなメカニズムが考えられるかを議論する。
東北沖地震後の地上重力変化を議論している研究はこれまでにいくつか存在する。例えば高木(2018)は、絶対重力計によって取得された重力観測データ(大久保ほか, 2017)のうち2014.5年以降の長期的な重力変化がMaxwell粘弾性体による粘弾性変形で再現できることを示した。この際、高木(2018)は地下粘弾性構造を試行錯誤的に探索した結果として、アセノスフェアの粘性率を5×1018 Pa sと設定している。また、Tamura et al. (2023)は国立天文台水沢の超伝導重力計で取得された2014年以降の重力連続観測データから余効重力変化を抽出し、その時間変化の特徴から実際の粘性率が2×1018 Pa s程度である可能性を示した。ただし、Tamura et al. (2023)は高木(2018)のモデル計算結果と比較することで粘性率を推測しており、彼らがこの値を用いてモデル計算を実施したわけではない。
以上のように、東北沖地震に伴う2014年以降の余効重力変化はMaxwell粘弾性体による粘弾性変形で再現できることが分かってきたものの、余効重力変化については依然として未解明な部分が残されている。例えば、高木(2018)は余効すべりと粘弾性変形による重力変化を計算し、それぞれの効果による重力変化の計算値が逆符号となる場合があると指摘した。また、高木(2018)は2014年以前に観測されていた重力変化を十分に再現できておらず、この期間の地上重力変化の物理メカニズムは十分定量的に解明されていない。さらに、高木(2018)とTamura et al. (2023)では異なる粘性率の値が提示されており、複数の重力データを説明するような最適な粘弾性構造を検討する必要がある。
そこで本研究は、地上重力変化を説明できるような東北沖地震の余効変動モデルを構築するために、複数の条件設定で地上重力変化の数値計算を行い、実際に東北沖地震後に観測された地上重力変化と比較する。余効重力変化の数値計算では、自己重力・層構造・球対称地球の条件下における粘弾性変形(Zhou and Wang, 2023)考慮した上で、粘弾性構造や地震時すべり分布に対して複数のパターンを検討する。また、比較対象となる地上観測データには東北・関東地方の5点(水沢・江刺・仙台・本庄・つくばね)で取得された絶対重力観測データ(高木, 2018; Tamura et al., 2023)を用いる。本発表では複数の重力変化計算結果を示し、余効重力変化を引き起こす原因としてどのようなメカニズムが考えられるかを議論する。