[S-MP24] 変形岩・変成岩とテクトニクス

[SMP24-P11] 愛知県新城地域の中央構造線沿いに分布する領家帯マイロナイトの構造岩石学的特徴

*丹羽 美春^1,2、道林 克禎^1,3、谷 健一郎⁴、西村 拓真⁵ (1.名古屋大学大学院環境学研究科（岩鉱）、2.豊橋市自然史博物館、3.海洋研究開発機構海域地震火山部門、4.国立科学博物館、5.鳳来寺山自然科学博物館)

キーワード：マイロナイト、中央構造線、領家帯、断層岩

愛知県東三河地域新城市の中央構造線周辺には，状態の良い露頭が少なからず存在し，中央構造線を挟んで内帯の領家変成岩類から深成岩類，外帯の三波川変成岩類，さらにこれらの基盤岩類を覆う設楽層群や阿寺七滝礫岩などの非変成層まで観察可能である．しかし，三河地域の中央構造線沿いの断層岩は，愛知県新城市鳳来町付近で確認されているが，詳細な構造岩石学的研究は他の地域と比較して遅れており報告例もほとんどない．本研究では，鳳来町よりさらに南西に位置する新城市桜淵公園を横切る中央構造線近くでマイロナイトの露頭を発見した．露頭では，マイロナイトは緑白色を呈し，白い斑点状の斜長石粒子が特徴的である．マイロナイトはトーナル岩質であり，主な構成鉱物は石英，斜長石，黒雲母であり，その他褐簾石やジルコンが含まれる．岩石試料は面構造に垂直，線構造に平行なXZ面で研磨薄片を作成した後，偏光顕微鏡による微細構造観察及びSEM‒EBSDシステムによる石英の結晶方位測定，さらに一部の試料について年代測定を行った．本講演ではその結果について報告する.