17:15 〜 18:45
[SSS05-P07] 稠密地震観測に基づく熊本地震の中規模余震破壊伝播方向推定
キーワード:破壊伝播指向性
地震は断層が滑ることによって発生するが,震源からどのようにすべりが断層面上を広がっていくのかは地震の発生機構を知るうえで重要な問題である. 大地震の破壊伝播方向 は, 震源過程解析の中の1つの情報として比較的古くから求められている. 近年,稠密な 地震観測によって, 大地震だけではなく日本列島内陸部の小・中規模地震についても破壊 伝播方向を推定する試みがなされている. しかし, 横ずれ地震発生領域において詳しく調べた例は少ない. そこで, 本研究では2016年熊本地震の1つの余震に対して, 破壊伝播方向の推定をおこなった.
片方向への(ユニラテラルな)破壊伝播によって励起される場合、観測されるパルスのみかけの時間幅は理論的に破壊が伝播する方位と観測点方位の差によって変動することが知られている. このことから, 震源に対する様々な位置の地震観測点において時間幅を計測し, その分布から破壊伝播方向の検出を試みる. 対象とする地震は2022年6月26日に発生したM 4.7の地震であり, その周囲では稠密な地震観測が行われている. 対象地震から震源間距離 0.5km以内で発生した, 同年6月27日のM1.4をリファレンスとして解析を行う. リファレンス地震を対象地震の経験的グリーン関数(EGF)としてみなしてデコンボリューションを行うことで, 各観測点のみかけの時間幅を求め, その特徴を調べた. この手法は、限られた周波帯で複雑な破壊過程に対して適用することができる.
一方, P波変位記録の時間幅を計測しリファレンス地震を用いて規格化する簡易的な方法では, 震央から断層走向とほぼ平行な向きに狭い時間幅が観測された. また, 同じ地震ペアでスペクトル比のコーナー周波数を推定した結果, その変動は変位P波の結果とだいたい同じ傾向を示した。今回はEGFを用いて推定し、結果の比較を行う。それぞれの手法を用いることで、適切により多くの地震の破壊伝播方向を求めることができる。
片方向への(ユニラテラルな)破壊伝播によって励起される場合、観測されるパルスのみかけの時間幅は理論的に破壊が伝播する方位と観測点方位の差によって変動することが知られている. このことから, 震源に対する様々な位置の地震観測点において時間幅を計測し, その分布から破壊伝播方向の検出を試みる. 対象とする地震は2022年6月26日に発生したM 4.7の地震であり, その周囲では稠密な地震観測が行われている. 対象地震から震源間距離 0.5km以内で発生した, 同年6月27日のM1.4をリファレンスとして解析を行う. リファレンス地震を対象地震の経験的グリーン関数(EGF)としてみなしてデコンボリューションを行うことで, 各観測点のみかけの時間幅を求め, その特徴を調べた. この手法は、限られた周波帯で複雑な破壊過程に対して適用することができる.
一方, P波変位記録の時間幅を計測しリファレンス地震を用いて規格化する簡易的な方法では, 震央から断層走向とほぼ平行な向きに狭い時間幅が観測された. また, 同じ地震ペアでスペクトル比のコーナー周波数を推定した結果, その変動は変位P波の結果とだいたい同じ傾向を示した。今回はEGFを用いて推定し、結果の比較を行う。それぞれの手法を用いることで、適切により多くの地震の破壊伝播方向を求めることができる。
