日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS07] 地震波伝播:理論と応用

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:澤崎 郁(防災科学技術研究所)、竹尾 明子(東京大学地震研究所)、加藤 政史(株式会社地球科学総合研究所)、岡本 京祐(産業技術総合研究所)

17:15 〜 18:45

[SSS07-P10] 2023年9月16日にグリーンランドで発生した奇妙な微動

*西田 究1小原 一成1松澤 孝紀2木村 武志2 (1.東京大学地震研究所、2.防災科学技術研究所)

キーワード:シングルフォース震源、超低周波単色微動

2023年9月16日22時頃から世界中の広帯域地震観測点で奇妙な微動が観測された。始めに周期20-50秒の波束が観測された後、卓越周期は約100秒の微動が励起された、数日にわたって継続した。
最初のイベントを強調するため、 20-50mHz のバンドパスをかけたところ、Rayleigh波、Love波ともに励起されている事が分かった。顕著なP波は観測されなかったが、Radial成分にはS波の伝播が見て取れた。Rayleigh波の走時をエンベロープの極大値から読み取とり震源決定を行ったところ、震源はグリーンランド東岸に位置することが分かった。微動のradiation patternを決めるため、IRISから広帯域観測点のデータを取得し、10mHz付近にバンドパスをかけ Radial, Transverse, vertical のエンベロープの平均二乗振幅( Rayleigh 波到達から2000秒程度) をプロットしたところ、水平方向のsingle force (e.g., Kanamori and Given, 1982)で説明出来る事が分かった。予察的ではあるが、現在までの観測結果からフィヨルド地形にトラップされた湾内の振動を励起源と考えている。まず始めに地滑りが発生し、湾に氷等が滑り込みセイシュを励起し、全体として水平方向にsingle force が壁面にかかっている可能性を検討している。他の可能性を含め、今後より定量的に検討する予定である。