17:15 〜 18:45
[SSS07-P17] 八丈島における雑微動自己相関関数の減衰
キーワード:自己相関関数、雑微動、八丈島、減衰
地震波は地殻内の不均質により散乱や減衰を生じる.散乱や減衰の程度は地殻内の不均質を理解するための重要な情報となる.これまでにS波初動後に到着するS波多重散乱波であるコーダ波の減衰を示すパラメータQcの推定が多く行われてきた.雑微動の自己相関関数は震源と観測点を同一として観測される後方散乱波と見なすことができ(Claerbout, 1968),コーダ波同様の減衰を示すことが知られている(Weglar and Sens-Schönfelder, 2006).しかし,この減衰を示すパラメータQacfについての研究は少ない.
本研究では,2019年~2020年にかけて実施した臨時地震観測に定常地震観測点の記録を加えて、八丈島の地震観測記録からQacfとQcを推定した.八丈島におけるQacfとQcの空間分布を検討し,さらに,QacfとQcを比較して、八丈島の構造との関係を検討した.
QacfとQcは周波数のべき乗関数Qacf=9.70f1.37,Qc=32.8f1.12でそれぞれ近似できた.QacfはQcに比べや全体的に小さな値となった.観測点によるQacfのばらつきは周波数が高いほど大きくなった.これらの値はSato and Fehler (1998)による各地のQcとの比較において、浅部地殻や火山の値とよい対応が見られた.QacfとQcの空間分布を東山火山と西山火山で比較したところ,明瞭ではないもののいくつかの周波数帯で西山火山の方がやや小さい傾向が見られた.
一般にQcは浅部地殻で比較的小さな値を取ることが知られている.雑微動が主に表面波からなることから,Qacfはより表層での減衰を示すと考えられる.そのためQacfはQcより小さな値をとったと考えられる.八丈島の東山火山と西山火山は活動時期がそれぞれ約10万年前から約4千年前までと約1万年前以降と異なり,西山火山の方が新しい.本研究の結果は西山火山の方が地震波の減衰がやや大きいことを示しており,この理由は火山の形成年代や活動と関係していると考えられる.
本研究では,2019年~2020年にかけて実施した臨時地震観測に定常地震観測点の記録を加えて、八丈島の地震観測記録からQacfとQcを推定した.八丈島におけるQacfとQcの空間分布を検討し,さらに,QacfとQcを比較して、八丈島の構造との関係を検討した.
QacfとQcは周波数のべき乗関数Qacf=9.70f1.37,Qc=32.8f1.12でそれぞれ近似できた.QacfはQcに比べや全体的に小さな値となった.観測点によるQacfのばらつきは周波数が高いほど大きくなった.これらの値はSato and Fehler (1998)による各地のQcとの比較において、浅部地殻や火山の値とよい対応が見られた.QacfとQcの空間分布を東山火山と西山火山で比較したところ,明瞭ではないもののいくつかの周波数帯で西山火山の方がやや小さい傾向が見られた.
一般にQcは浅部地殻で比較的小さな値を取ることが知られている.雑微動が主に表面波からなることから,Qacfはより表層での減衰を示すと考えられる.そのためQacfはQcより小さな値をとったと考えられる.八丈島の東山火山と西山火山は活動時期がそれぞれ約10万年前から約4千年前までと約1万年前以降と異なり,西山火山の方が新しい.本研究の結果は西山火山の方が地震波の減衰がやや大きいことを示しており,この理由は火山の形成年代や活動と関係していると考えられる.