17:15 〜 18:45
[SSS09-P03] 地震波速度構造解析における求めた構造の推定誤差について
キーワード:屈折法解析、推定誤差、擬似速度構造モデル
屈折法地震波探査は、地震波速度構造を求める方法の1つとして世界各地で広く行われている。近年、大規模な構造や3次元構造などを詳細に求めるため、構造モデルのパラメーター数は多くなり、数万を超えることが一般的である。このため、インバージョンでこの問題を解く場合、逆行列をもとめる直接解法は一般的な研究室で使える計算機では時間がかかりすぎるため、LSQR法などの反復解法を使用するのが普通である。
一方、速度構造を計算する際に使われる観測データには様々な観測誤差が含まれているため、計算された地震波速度構造にも誤差(推定誤差)が存在している。速度構造の推定誤差を求めるには、逆行列を計算しなければならない。しかし、上に述べたように、数万×数万の行列の逆行列を求めるには、研究室の計算機では数十日間の計算時間がかかると予想され、現実的に計算可能な時間の範疇を超えていた。それゆえ、速度構造のモデルの誤差の計算はあまり行われてこなかった。
本研究では、現実的に計算可能な時間で計算できる推定誤差の手法を考案し、その手法について検討する。考案した手法の手順は以下の1~4の通りである。求めた地震波速度構造(最適解)から、そのモデルの理論走時を計算する。求めた理論走時に観測誤差を正規分布になるようにランダムに与え、疑似走時のデータセットを多数作成する。疑似走時データセットと速度構造の初期モデルとでインバージョンを行い、作成したデータセットの個数分だけインバージョンを繰り返し、多数の疑似速度構造モデルセットを作る。速度構造の最適解の値の周りに、疑似速度構造モデルセットの値が散らばると予想し、その散らばり具合を推定誤差とする。本手法の課題は、疑似速度構造モデルセットをいくつ作成すれば適切な推定誤差を計算できるかという点である。そのため、本研究では、モデルセット数を10個ずつ増やしていき、そのたびごとに標準偏差を計算し、標準偏差のばらつきが小さくなっていき、ある一定の値に落ち着くモデルセット数を探していくことで、適切なモデルセット数を見つけることとした。
本研究では、高田(千葉大学修士論文、2015)で求められた、インド洋ロドリゲス3重会合点付近のP波速度構造を使用し、その構造の推定誤差について検討した。その結果、概ね、疑似速度構造モデルセット数が200個付近になると、標準偏差の値が一定となっているように見られ、200個での値を本モデルの推定誤差とすることとした。モデルセットの計算は並列計算が可能であるので、この200個という数は、研究室の計算機の能力でも半日程度で計算が可能である。
一方、速度構造を計算する際に使われる観測データには様々な観測誤差が含まれているため、計算された地震波速度構造にも誤差(推定誤差)が存在している。速度構造の推定誤差を求めるには、逆行列を計算しなければならない。しかし、上に述べたように、数万×数万の行列の逆行列を求めるには、研究室の計算機では数十日間の計算時間がかかると予想され、現実的に計算可能な時間の範疇を超えていた。それゆえ、速度構造のモデルの誤差の計算はあまり行われてこなかった。
本研究では、現実的に計算可能な時間で計算できる推定誤差の手法を考案し、その手法について検討する。考案した手法の手順は以下の1~4の通りである。求めた地震波速度構造(最適解)から、そのモデルの理論走時を計算する。求めた理論走時に観測誤差を正規分布になるようにランダムに与え、疑似走時のデータセットを多数作成する。疑似走時データセットと速度構造の初期モデルとでインバージョンを行い、作成したデータセットの個数分だけインバージョンを繰り返し、多数の疑似速度構造モデルセットを作る。速度構造の最適解の値の周りに、疑似速度構造モデルセットの値が散らばると予想し、その散らばり具合を推定誤差とする。本手法の課題は、疑似速度構造モデルセットをいくつ作成すれば適切な推定誤差を計算できるかという点である。そのため、本研究では、モデルセット数を10個ずつ増やしていき、そのたびごとに標準偏差を計算し、標準偏差のばらつきが小さくなっていき、ある一定の値に落ち着くモデルセット数を探していくことで、適切なモデルセット数を見つけることとした。
本研究では、高田(千葉大学修士論文、2015)で求められた、インド洋ロドリゲス3重会合点付近のP波速度構造を使用し、その構造の推定誤差について検討した。その結果、概ね、疑似速度構造モデルセット数が200個付近になると、標準偏差の値が一定となっているように見られ、200個での値を本モデルの推定誤差とすることとした。モデルセットの計算は並列計算が可能であるので、この200個という数は、研究室の計算機の能力でも半日程度で計算が可能である。