17:15 〜 18:45
[SSS10-P11] プレート間/プレート内地震数比率モデル変更の地震動ハザード評価への影響
キーワード:プレート間地震、プレート内地震、地震動ハザード評価、不確実さ
海溝型地震には、沈み込む海洋プレートの上面境界で発生するプレート間地震と沈み込む海洋プレートの内部で発生するプレート内地震があるが、プレート内地震は同一規模のプレート間地震と比べて震源距離が同じであっても大きな震度が観測される特徴がある。
したがって、強震動予測や地震動ハザード評価においては両者を分けてモデル化して評価する必要がある。地震調査研究推進本部の確率論的地震動予測地図作成において、太平洋プレートの震源断層を予め特定しにくい地震は、気象庁による地震カタログによる震源位置と沈み込むプレート形状モデルの位置関係のみからプレート間地震かプレート内地震かの判定を行い、それにより求められるプレート間/プレート内の地震数比率を用いてそれぞれの地震発生頻度をモデル化していた。一方で、基盤的地震観測網が整備されそれによる記録が蓄積されるとともに震源メカニズム解が求められる地震も増え、地震調査委員会の毎月の地震活動の評価において地殻内地震、海溝型プレート間地震、海溝型プレート内地震の判定がなされる地震も増えてきた。
本検討では、地震調査委員会により評価された地震に基づいて震源断層を予め特定しにくい地震のプレート間/プレート内地震数比率をモデル化し、確率論的な地震ハザード評価結果への影響を調べた。地震数比率のモデル化は、地震調査委員会の確率論的地震動予測地図作成における地域区分ごとにモデル化した。
太平洋プレートの地震については、すべての地域区分でプレート内地震の比率が現行モデルよりも大きくなり、岩手県沖南部および宮城県沖でその違いが顕著となった。Morikawa and Fujiwara (2013) の地震動予測式を用いた地震ハザード評価の結果、北関東以北の太平洋岸の短周期成分(周期0.1~0.5秒)で現行モデルよりもハザードが大きくなり、宮城県沖に近い仙台では顕著に大きくなることが確認できた。
一方、フィリピン海プレートの地震に関しては、南関東地域で現行ではM7クラスの地震に関する既往研究の知見(文部科学省・東京大学地震研究所,2012)に基づいてプレート内地震の方がプレート間地震よりも多いモデルとなっているが、地震調査委員会の毎月の地震活動の評価で評価された地震に基づくとプレート間地震の方が多い比率のモデルとなった。ただし、地震調査委員会により評価された地震はすべてМ5クラス以下であり、地震ハザード評価に影響が大きいМ7クラスの地震の比率については大きな不確実さがあると言える。新たな南関東のフィリピン海プレートの地震数比率モデルに基づく関東地方の地震ハザード評価結果は、短周期成分には大きな違いは見られないものの、周期1秒程度の長周期成分で現行モデルよりも大きくなることが確認された。これは、プレート間地震の最大規模(M7.8)がプレート内地震(M7.3)よりもかなり大きいことが影響している。
したがって、強震動予測や地震動ハザード評価においては両者を分けてモデル化して評価する必要がある。地震調査研究推進本部の確率論的地震動予測地図作成において、太平洋プレートの震源断層を予め特定しにくい地震は、気象庁による地震カタログによる震源位置と沈み込むプレート形状モデルの位置関係のみからプレート間地震かプレート内地震かの判定を行い、それにより求められるプレート間/プレート内の地震数比率を用いてそれぞれの地震発生頻度をモデル化していた。一方で、基盤的地震観測網が整備されそれによる記録が蓄積されるとともに震源メカニズム解が求められる地震も増え、地震調査委員会の毎月の地震活動の評価において地殻内地震、海溝型プレート間地震、海溝型プレート内地震の判定がなされる地震も増えてきた。
本検討では、地震調査委員会により評価された地震に基づいて震源断層を予め特定しにくい地震のプレート間/プレート内地震数比率をモデル化し、確率論的な地震ハザード評価結果への影響を調べた。地震数比率のモデル化は、地震調査委員会の確率論的地震動予測地図作成における地域区分ごとにモデル化した。
太平洋プレートの地震については、すべての地域区分でプレート内地震の比率が現行モデルよりも大きくなり、岩手県沖南部および宮城県沖でその違いが顕著となった。Morikawa and Fujiwara (2013) の地震動予測式を用いた地震ハザード評価の結果、北関東以北の太平洋岸の短周期成分(周期0.1~0.5秒)で現行モデルよりもハザードが大きくなり、宮城県沖に近い仙台では顕著に大きくなることが確認できた。
一方、フィリピン海プレートの地震に関しては、南関東地域で現行ではM7クラスの地震に関する既往研究の知見(文部科学省・東京大学地震研究所,2012)に基づいてプレート内地震の方がプレート間地震よりも多いモデルとなっているが、地震調査委員会の毎月の地震活動の評価で評価された地震に基づくとプレート間地震の方が多い比率のモデルとなった。ただし、地震調査委員会により評価された地震はすべてМ5クラス以下であり、地震ハザード評価に影響が大きいМ7クラスの地震の比率については大きな不確実さがあると言える。新たな南関東のフィリピン海プレートの地震数比率モデルに基づく関東地方の地震ハザード評価結果は、短周期成分には大きな違いは見られないものの、周期1秒程度の長周期成分で現行モデルよりも大きくなることが確認された。これは、プレート間地震の最大規模(M7.8)がプレート内地震(M7.3)よりもかなり大きいことが影響している。