[S-SS10] 強震動・地震災害

[SSS10-P15] 鳥取平野における３次元地下構造モデル再構築の試み

*香川 敬生¹、谷河 直²、野口 竜也¹ (1.鳥取大学工学部、2.鳥取大学大学院持続性社会創生科学研究科工学専攻)

キーワード：鳥取平野、３次元地下構造、地震動、微動探査、重力異常

鳥取平野における地震観測記録，微動探査および重力探査データを再解析し，既往の３次元地下構造モデル（鳥取県, 2018）を更新したので報告する。まず，鳥取平内の地震観測点で得られたEHVSRs（地震動の水平/上下スペクトル比）を満足するように，拡散波動場理論（Kawase et al., 2011）を介して，各層の物性値を共通とした地下構造モデルを構築した。得られた結果を参照し，深部までの速度構造が推定可能な径の大きい微動アレイによる位相速度分散曲線と中心点のMHVSRs（微動の水平/上下スペクトル比）卓越周期を満足するように地下構造モデルを推定した。これらの結果から，層境界の深度が基盤深度に概ね比例すること，重力異常分布と微動による構造境界深度の分布に共通の傾向があることが示唆されたため，より稠密な観測が行われている重力異常分布の形状を用いて，コンピュータ・グラフィックスによる点群補間に用いられるRBF(Radial Basis Function)法によって基盤形状の補間をおこなった。得られたモデルから地震および微動の観測結果が良く再現されることを確認した上で，観測地震波形の再現を試みている。なお，本研究は文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画（第２次）」の支援を受けたものである。
参考文献： Kawase et al.,2011, BSSA, 101(5), 2001-2014. 鳥取県地震防災調査報告書, 2018.