[S-SS10] 強震動・地震災害

[SSS10-P16] 中央構造線三野断層近傍における微動探査

*野口 竜也¹、佐々木 祥太 ¹、河野 勝宣¹、小野 祐輔¹、香川 敬生¹ (1.鳥取大学工学部)

キーワード：微動、H/V、S波速度構造、三野断層、中央構造線

中央構造線断層系の三野断層の断層近傍において，地盤震動特性と地盤構造を把握するために微動探査を実施した．三野断層は徳島県三次市に分布する13.5kmの断層である．三野断層を含む和泉層群は，海底で堆積した礫岩，砂岩，泥岩からなり，三野断層沿いでは大規模な破砕帯の露出が存在している．微動観測は，三野断層の断層ガウジが露頭している地点近傍の断層を横切るように実施した．単点3成分観測として広域に100m間隔で41地点，直線アレイ観測として断層直上を地震計間隔2m，10mにて3ラインで各4展開（計12展開），L字アレイを地震計間隔2～62mにて1箇所で実施した．観測機器にはJU410を用いた．3成分記録からはH/Vを算出し，卓越周期を読み取った．また，アレイ観測記録から，位相速度分散曲線を求め，地盤構造を推定した．それらの結果については分布図やヒートマップを作成し，それらの空間的な変化を調べた．H/Vの特徴としては，断層直上でH/Vのピークが平らになるゾーンがあり，その南側もしくは北側でピークが明瞭になる様子がみられた．位相速度分散曲線からは，断層を挟んで北側もしくは南側で速度が異なり，S波速度構造は断層の前後で急激に変化することがわかった．今後は重力探査の結果も考慮に入れて深部構造構造を含めた検討が必要である．