日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS10] 強震動・地震災害

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:友澤 裕介(鹿島建設)、林田 拓己(国立研究開発法人建築研究所 国際地震工学センター)

17:15 〜 18:45

[SSS10-P17] 中央構造線三野断層とその周辺における重力探査

*高栁 芽依1野口 竜也1、錦織 明日美1、河野 勝宣1 (1.鳥取大学)

キーワード:重力異常、密度構造、三野断層、中央構造線

中央構造線断層系の三野断層とその周辺において,断層近傍における地下構造を把握するために重力探査を実施した.三野断層は長さ13.5kmで,徳島県北部地域を吉野川の北縁に沿って伸びている.河内谷川の東岸の断層沿いにガウジが露頭している地点がある.また,三野断層は横ずれ断層と推定されており,断層に沿って破砕帯が広く,多量の断層粘土の分布が確認されている.重力観測はラコスト・ロンバーグ重力計を用いて82地点で実施した.測量にはGNSS測量機を用いて高度が10cm以内で得られている.測定値から各種補正を行い,仮定密度2.33g/cm^3として重力異常を求めた.重力異常の特徴としては,三野断層の北側で断層に沿って高異常領域が帯状に分布することがわかった.さらに,表層2.00 g/cm^3,基盤層2.33 g/cm^3の均質2層モデルにより2次元及び3次元解析の解析を行い,基盤深度を推定した.その結果,断層を挟んで北側から南側にかけて,基盤の落差が100~200m程度となることがわかった.これは,断層北側で褶曲,もしくは段差差があることを示唆している.ただし,三野断層は横ずれ型とされており,破砕帯の存在により断層の南側が低密度になっていて,それにより重力異常が低下していることも予想される.今後は多層モデルによる解析を行い,微動探査などの結果を含めて総合的に評価していく予定である.