[S-SS11] 活断層と古地震

[SSS11-P01] 折爪断層における浅層反射法地震探査

*岡田 真介¹、越谷 信¹、田﨑 陽平¹、本多 亮²、平松 良浩³、石山 達也⁴、野田 克也⁵、萬谷 良平⁵ (1.岩手大学理工学部、2.山梨県富士山科学研究所、3.金沢大学理工研究域地球社会基盤学系、4.東京大学地震研究所、5.株式会社ジオシス)

キーワード：浅層反射法地震探査、折爪断層、インバージョンテクトニクス、活断層

折爪断層は，青森県南東部から岩手県北部にかけて最大47 km連続する断層である。青森県 (1997) によると，馬淵川付近から北部の辰ノ口撓曲では，鮮新統の斗川層の上下変位量と形成年代から上下変位速度が求められているが，第四紀後期の活動について明らかにされているわけではない。また，折爪断層の中部〜南部にかけての資料は乏しい。
　本研究では，折爪断層の地下地質構造を明らかにするために，岩手県軽米町山内付近において2023年8月に調査を実施した。測線は，北北西-南南東の走向を持つ3本の地質断層（そのうち最も東側の断層が，活断層とほぼ一致）を横切る（辻野ほか, 2018；中田・今泉編, 2002）。測線は，東西方向約2.4 kmとし，発振点・受振点間隔は10 mとした。震源には，ミニバイブ（IVI社製T-15000）を用いて，10〜120 Hzの周波数帯で16秒間のスウィープを実施した。受振器には，固有周波数4.5 HzのGS-11DおよびGS11-3s（Geospace社製）を用いた。レコーディングシステムには，独立型収録システムGSR(Geospace社製)を用いて1 msのサンプリング間隔とした。受振点は，全243chを固定展開として集録を行った。
　得られたデータの解析は，一般的な共通反射点重合法の処理に従って解析を行った。CMP間隔は5 mとした。解析の結果，地質図幅に示された西傾斜の地質断層および活断層がイメージングされ，地質分布等と合わせてテクトニックインバージョンに関連した地下地質構造と解釈される。

文献：
辻野　匠　ほか（2018）一戸地域の地質, 地域地質研究報告（5万分の1地質図幅）, 産総研地質調査総合センター, 161p.
中田　高・今泉　俊文（2002）活断層詳細デジタルマップ, 東京大学出版会, DVD1枚および解説書68p.