日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT34] 空中からの地球計測とモニタリング

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:小山 崇夫(東京大学地震研究所)、楠本 成寿(京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設)、光畑 裕司(独立行政法人 産業技術総合研究所)、上田 匠(早稲田大学)

17:15 〜 18:45

[STT34-P06] 深層学習による周波数領域空中電磁探査データ逆解析の実測データへの適用

*大植 聖也1上田 匠1大熊 茂雄2横田 俊之2 (1.早稲田大学、2.国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

キーワード:電磁探査、空中電磁探査、深層学習、逆解析

空中電磁探査法は、広範囲を効率よく探査できる利点があるが、測点・データ数が膨大になり、逆解析のコストが非常に高い。一方、回帰問題としての深層学習による逆解析は、一度学習が完了したネットワークモデルを利用することで、空中電磁探査のような大規模データの迅速に逆解析可能と考えられる。そこで本研究では、RESOLVE システムで測定された周波数領域空中電磁探査の実測データに対し、深層学習による1次元逆解析を行なった。具体的には、開発中の深層学習コードを東北地方の太平洋岸で観測されたRESOLVEの実測データに適用した。

その結果、訓練データにおける比抵抗の設定範囲が逆解析結果に大きく影響することを明らかにした。実測データと、深層学習による推定比抵抗構造から順解析した予測データとの残差の一種であるRMSPE (Root Mean Squared Percentage Error)の値は、比抵抗の生成範囲を0.1〜1000 ohm-mに設定した時に最小値を示し、勾配法に基づく既存の逆解析手法の結果と概ね一致した。

今後の課題としては、本研究で固定した深層学習のハイパーパラメータの検証、電磁ノイズを考慮した訓練データの生成、ネットワークモデルの改良、そして本手法のさまざまな実測データへの適用が挙げられる。