17:15 〜 18:45
[STT35-P06] 時系列干渉SARを用いた神戸ポートアイランドの地盤沈下モニター

キーワード:時系列干渉SAR、神戸ポートアイランド、Sigma-SAR、GNSS
地盤沈下とは粘土層の間にある、礫・砂層などの間隙に閉じ込められた地下水を過剰揚水することにより、粘土層からの間隙水が絞りだされ、その粘土層が収縮することにより地面が沈む現象のことを言う。また、一度沈下した地盤は元には戻らず、沈降量は年々蓄積される。地盤沈下により構造物の損壊やライフラインの破損、津波・高潮に対する脆弱性などをもたらす危険性が予想される。しかし、近年でも多くの地域で地盤沈下が水準測量によって観測されている。本研究では、兵庫県神戸市のポートアイランドや水準測量によって地盤沈下が確認されている大阪平野を対象に時系列干渉SAR解析を行った。またGNSS点の測量データ、神戸市役所からいただいたポートアイランドの測量データとの比較、精度評価を行った。解析ソフトウェアはSigma-SARを用い、すべての観測データが基準軌道からゼロベースラインで観測されたように再構築し、時系列干渉処理を行った。
研究手順としては、データの取得、干渉処理、精度評価の順で行った。
研究対象地域を兵庫県神戸市のポートアイランドと地盤沈下が生じている大阪平野とし2014年から2023年のDescending35シーンを用いて解析を行った。Descending34ペアで位相の加算処理を行ったが電離層の影響で加算処理を正常に行うことができなかった。そのため電離層補正を行い電離層の影響を除去した。これにより干渉画像の精度が向上した。またポートアイランド、大阪平野でそれぞれ沈降の傾向が確認できた。
精度評価として13点のGNSS点と4点のポートアイランドの測量点と平均残差を用いて行った。13点のGNSS点の平均残差は2.8cmと高い精度を得たが、13点のうち堺点や河南点、八尾点での平均残差がそれぞれ4.9cm、4.7cm、3.8cmと少し誤差が大きい結果となった。4点のポートアイランドの測量点の平均残差は6.2cmとやや低くなった。しかし4点のうち北3点では平均残差が1.3cm、1.5cm、2.1cmと高い精度となった。
これらの結果からGNSS点の堺点や河南点、八尾点で誤差が確認できた。またポートアイランドの計測点の最南点で平均残差(12.3cm)の大きな乖離が確認された。しかしGNSS点の13点のうち平均残差が大きくなってしまった3点を除いた10点の平均残差が2.1cm、またポートアイランドの4点の計測点のうち大きな乖離を示した最南点を除いた3点の平均残差が1.7cmと部分的ではあるが高い精度でSARでの計測が行えたと考える。そのため水準測量と併用し効率的に全国の地盤変動を計測する点について有効であると考える。
研究手順としては、データの取得、干渉処理、精度評価の順で行った。
研究対象地域を兵庫県神戸市のポートアイランドと地盤沈下が生じている大阪平野とし2014年から2023年のDescending35シーンを用いて解析を行った。Descending34ペアで位相の加算処理を行ったが電離層の影響で加算処理を正常に行うことができなかった。そのため電離層補正を行い電離層の影響を除去した。これにより干渉画像の精度が向上した。またポートアイランド、大阪平野でそれぞれ沈降の傾向が確認できた。
精度評価として13点のGNSS点と4点のポートアイランドの測量点と平均残差を用いて行った。13点のGNSS点の平均残差は2.8cmと高い精度を得たが、13点のうち堺点や河南点、八尾点での平均残差がそれぞれ4.9cm、4.7cm、3.8cmと少し誤差が大きい結果となった。4点のポートアイランドの測量点の平均残差は6.2cmとやや低くなった。しかし4点のうち北3点では平均残差が1.3cm、1.5cm、2.1cmと高い精度となった。
これらの結果からGNSS点の堺点や河南点、八尾点で誤差が確認できた。またポートアイランドの計測点の最南点で平均残差(12.3cm)の大きな乖離が確認された。しかしGNSS点の13点のうち平均残差が大きくなってしまった3点を除いた10点の平均残差が2.1cm、またポートアイランドの4点の計測点のうち大きな乖離を示した最南点を除いた3点の平均残差が1.7cmと部分的ではあるが高い精度でSARでの計測が行えたと考える。そのため水準測量と併用し効率的に全国の地盤変動を計測する点について有効であると考える。