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[STT36-P03] 孔内光ファイバひずみ計で2024年能登半島地震直後から観測された間隙水圧変化
著者らは、神岡鉱山の20 m掘削孔に孔内光ファイバひずみ計と間隙水圧計を設置して、2023 年 4 月から連続観測を実施している (Machida et al., 2023)。 神岡鉱山の20 m掘削孔の基本的な設計と観測機器の構成は、ゆっくりすべり(SSE)を検知するために2023年11月に南海トラフに設置した500 m長期孔内観測点とほぼ同じである(Araki et al., 2023)。したがって、神岡鉱山における間隙水圧に対するひずみ応答の評価は、南海トラフ地震発生帯における現場観測データの解釈に有益となる。 2024年1月1日に発生した能登半島地震(M7.6)は、神岡鉱山での観測期間中に観測された最大の地震となった。 地震直後から、それまでの観測では見られなかった間隙水圧の変化が観測された。 間隙水圧は数日間で約 80 hPa 減少し、その後は徐々に増加に転じた。 間隙水圧は若干の長周期変動をともないながら、約1ヶ月で地震前の値まで回復した。 孔内光ファイバひずみ計によるひずみも間隙水圧と相関しながら変化した。 今回の観測は、孔内光ファイバひずみ計が長周期の間隙水圧の変化を計測できることを示唆する。 さらに孔内光ファイバひずみ計で50 nanoひずみに相当する地球潮汐も観測できていることを確認した。