17:15 〜 18:45
[STT37-P04] 高知大学朝倉キャンパス内でのボアホール地震動観測
キーワード:地動加速度観測、ボアホール観測
高知大学では2023年9月に朝倉キャンパス内(高知市曙町)にボアホール型地震計を用いた観測点を新設した.講演では新設観測点の仕様・観測状況について説明する.
高知大学の地震観測は1957年6月、高知市鵜来巣山の文理学部地震観測所として始まった.その後1966年4月には,高知大学文理学部附属の教育・研究施設となり,現在の場所(高知市朝倉本町)に移転した.1980年代には他大学や国の研究機関との間で地震動観測データを互いにリアルタイムに交換するシステムが整備され,地方大学でありながらも四国を中心に,広域にわたる地震活動や震源分布の形状の特徴が調査・研究できるようになった.現在高知地震観測所には,地下30 mの位置に設置したボアホール型地震計(SD-112; 勝島製作所)と地表地震計基台に設置した強震計(VSE-11F, VSE-12F;東京測振)を設置した朝倉観測点が併設されている.
平成27年には昭和45年度に決定された高知市都市計画道路 鴨部北城山線の拡張に伴う高知観測所の移転・取り壊しが高知市から通達され,移転に伴う協議が始まった.市道鴨部北城山線は高知大学朝倉キャンパスと高知地震観測所のある南団地を隔てている幅員5 mほどの道路で,朝倉観測点は道路脇から10 m程度離れた位置にある.途中協議が中断した期間があったが,令和4年7月には,大学−高知市の間で土地売買の仮契約が取り交わされ,令和6年8月には建屋の取り壊し,令和7年3月には更地として受け渡しが決まっている.
高知地震観測所取り壊しに伴い,朝倉観測点の移転・移設が必要となったため,観測所本来の教育・研究施設としての役割に立ち戻り、教育機能の強化が可能なよう,朝倉キャンパス内への移転を決めた.しかしながら,朝倉キャンパスの北部は路面電車軌道に面し,JR四国土讃線の線路も近いことから,観測状況の維持のためボアホール観測点とし,軌道・線路に近づく分地下埋設深度を大きく取り,ボアホール掘削長を200 mとした.高知は雨量が多い地域でもあり,周辺での井戸水利用の影響を避けるため,掘削孔はケーシングののちフルホールセメンチングを行い,環境変動由来のノイズを低減できるようにした.掘削はフルコア採取で行い,地質・岩石資料として教育・研究に利用するため,現在高知大学 海洋コア国際研究所にて保管している.
新朝倉キャンパス観測点(仮称)では,過減衰型加速度計(JEP-6B3, 10V/G仕様;日本システム工業株式会社)を独自の筐体に収めて地下192 mに設置した.地震動の信号は理工学部1号館建屋内に改修した,地震観測所サーバ室までアナログ有線で延伸し,テレメータ計測機器(LT-7700; 白山工業)によって収録している.現在(2024年2月時点)は朝倉観測点での地震動観測と新朝倉キャンパス観測点(仮称)の比較観測を実施している.
高知大学の地震観測は1957年6月、高知市鵜来巣山の文理学部地震観測所として始まった.その後1966年4月には,高知大学文理学部附属の教育・研究施設となり,現在の場所(高知市朝倉本町)に移転した.1980年代には他大学や国の研究機関との間で地震動観測データを互いにリアルタイムに交換するシステムが整備され,地方大学でありながらも四国を中心に,広域にわたる地震活動や震源分布の形状の特徴が調査・研究できるようになった.現在高知地震観測所には,地下30 mの位置に設置したボアホール型地震計(SD-112; 勝島製作所)と地表地震計基台に設置した強震計(VSE-11F, VSE-12F;東京測振)を設置した朝倉観測点が併設されている.
平成27年には昭和45年度に決定された高知市都市計画道路 鴨部北城山線の拡張に伴う高知観測所の移転・取り壊しが高知市から通達され,移転に伴う協議が始まった.市道鴨部北城山線は高知大学朝倉キャンパスと高知地震観測所のある南団地を隔てている幅員5 mほどの道路で,朝倉観測点は道路脇から10 m程度離れた位置にある.途中協議が中断した期間があったが,令和4年7月には,大学−高知市の間で土地売買の仮契約が取り交わされ,令和6年8月には建屋の取り壊し,令和7年3月には更地として受け渡しが決まっている.
高知地震観測所取り壊しに伴い,朝倉観測点の移転・移設が必要となったため,観測所本来の教育・研究施設としての役割に立ち戻り、教育機能の強化が可能なよう,朝倉キャンパス内への移転を決めた.しかしながら,朝倉キャンパスの北部は路面電車軌道に面し,JR四国土讃線の線路も近いことから,観測状況の維持のためボアホール観測点とし,軌道・線路に近づく分地下埋設深度を大きく取り,ボアホール掘削長を200 mとした.高知は雨量が多い地域でもあり,周辺での井戸水利用の影響を避けるため,掘削孔はケーシングののちフルホールセメンチングを行い,環境変動由来のノイズを低減できるようにした.掘削はフルコア採取で行い,地質・岩石資料として教育・研究に利用するため,現在高知大学 海洋コア国際研究所にて保管している.
新朝倉キャンパス観測点(仮称)では,過減衰型加速度計(JEP-6B3, 10V/G仕様;日本システム工業株式会社)を独自の筐体に収めて地下192 mに設置した.地震動の信号は理工学部1号館建屋内に改修した,地震観測所サーバ室までアナログ有線で延伸し,テレメータ計測機器(LT-7700; 白山工業)によって収録している.現在(2024年2月時点)は朝倉観測点での地震動観測と新朝倉キャンパス観測点(仮称)の比較観測を実施している.