14:45 〜 15:00
[SVC27-05] 御嶽山における登山者動態データの防災利用
キーワード:登山者動態データ、御嶽山、火山防災
日本国内には111の活動的な火山があり、その中には登山者や観光客(以下登山者)が火口近傍まで近づくことのできる火山も多く存在する。2014年9月に御嶽山で発生した噴火では、山頂付近に登山者が多くいる時間帯に噴火が発生したため、噴火の規模は小さいながら、火山災害としては戦後最多の死者行方不明者を出す大災害となった。登山者を考慮した火山防災対策に役立てることを目的として、2023年に御嶽山において登山者動態データ取得実験及び状況共有実験(御嶽山チャレンジ2023)を実施した。
本実験では2023年8月26日と27日の二日間に計844個のビーコンを登山者に配布し、事前に登山道に沿って設置したレシーバーでビーコンを持った登山者の動きをモニタリングした。レシーバーは、地元自治体である木曽町、王滝村の協力のもと、御嶽山の黒沢口登山道(おんたけロープウェイ山頂駅/中ノ湯駐車場~剣ヶ峰~ニノ池~三ノ池)と王滝口登山道(田の原駐車場~王滝頂上~八丁ダルミ~剣ヶ峰/黒沢十字路)に沿って21カ所設置した。BLE通信機能を持つ小型のビーコンは、レシーバーのおよそ15m以内に近づくと検知されそれ以上離れると検知しなくなる。この機能を利用し、各ビーコンを持った登山者の各レシーバーに対する到着時刻、滞在時刻、出発時刻を把握し、解析を進めることで各登山者の登山に要した時間、移動速度、さらには登山傾向や空間分布とその時間変化を把握することができた。解析結果を地元自治体に提供することにより、これら実験結果が登山道整備の優先順位を考える際や周知用看板等の設置箇所検討に際し参考になることが分かった。また、登山者全体の登山傾向を把握することで、シェルターの設置箇所や避難経路を検討する際にも参考になると考えられる。状況共有実験を通じて地元自治体職員と行った意見交換では、災害時に登山者情報等をリアルタイムで可視化し共有することの有用性が挙げられると共に、災害時に限らないフェーズフリーでの活用も期待されるというコメントが得られた。
本発表では、得られたデータの解析結果の詳細と活用方法について報告する。
本実験では2023年8月26日と27日の二日間に計844個のビーコンを登山者に配布し、事前に登山道に沿って設置したレシーバーでビーコンを持った登山者の動きをモニタリングした。レシーバーは、地元自治体である木曽町、王滝村の協力のもと、御嶽山の黒沢口登山道(おんたけロープウェイ山頂駅/中ノ湯駐車場~剣ヶ峰~ニノ池~三ノ池)と王滝口登山道(田の原駐車場~王滝頂上~八丁ダルミ~剣ヶ峰/黒沢十字路)に沿って21カ所設置した。BLE通信機能を持つ小型のビーコンは、レシーバーのおよそ15m以内に近づくと検知されそれ以上離れると検知しなくなる。この機能を利用し、各ビーコンを持った登山者の各レシーバーに対する到着時刻、滞在時刻、出発時刻を把握し、解析を進めることで各登山者の登山に要した時間、移動速度、さらには登山傾向や空間分布とその時間変化を把握することができた。解析結果を地元自治体に提供することにより、これら実験結果が登山道整備の優先順位を考える際や周知用看板等の設置箇所検討に際し参考になることが分かった。また、登山者全体の登山傾向を把握することで、シェルターの設置箇所や避難経路を検討する際にも参考になると考えられる。状況共有実験を通じて地元自治体職員と行った意見交換では、災害時に登山者情報等をリアルタイムで可視化し共有することの有用性が挙げられると共に、災害時に限らないフェーズフリーでの活用も期待されるというコメントが得られた。
本発表では、得られたデータの解析結果の詳細と活用方法について報告する。