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[SVC27-07] 二次火山泥流を対象とした被害範囲推定プログラムDFSSの開発
キーワード:火山泥流、土石流、火山
火山噴火に伴い火山泥流が発生し甚大な被害が生じる。火山泥流は噴火に直接起因する場合とその後の降雨など火山活動に直接的に関係しない事象で発生する場合があり、それぞれ一次火山泥流、二次火山泥流と呼ばれる。文献に残る火山泥流事例の調査によれば二次火山泥流の発生頻度が最も多い[1]。一次火山泥流は噴火と同時に発生するため対策が困難である一方、二次火山泥流は噴火から降雨までに時間があるため避難活動などの防災・減災対策を行える可能性がある。降灰後の土石流(本稿の二次火山泥流と同義)については、2011年以降土砂災害防止法に基づく「緊急調査」の対象に位置づけられている。
二次火山泥流は、過去の実績によれば、10 cm 内外の火山灰層厚の地域における時間雨量 10㎜/h 程度の小規模な降雨によって発生する[2]。したがって、二次火山泥流の氾濫範囲を推定するには降灰層厚や降雨の空間的な分布をそれぞれ初期条件や境界条件として与えることが望ましい。降灰層厚は噴火後時間が経過すればJVDNに登録される様々な機関が調査した実績値を利用できる。また、噴火直後であってもTephra2 などの降灰厚分布推定手法を利用すればある程度の確度で推定できる[3]。一方、降雨は国土交通省XRAINや気象庁降水短時間予報などを活用できる。私たちの研究チームでは、以上のようなデータを入力でき、降雨流出解析と土石流解析を一体とした解析法を提案し、実装したプログラム Debris Flow Simulator for Sabo (DFSS) を開発した[4]。
本発表では、有珠山1977年噴火後に発生した火山泥流に対して、当時の氾濫実績等の調査データとDFSSによる計算結果を比較した結果を示す。それによって、計算手法としての課題や適用性、あるいは二次火山泥流のデータ収集という観点から過去の火山泥流情報の記載などに砂防分野の課題があることを議論する。
引用文献
[1] 阪上雅之・國友優、有史以降の水蒸気噴火またはマグマ水蒸気噴火に関連した火山泥流、地学雑誌、vol.123、No.5、p.283-289、2017
[2] 田村圭司・山越隆雄・松岡暁・安養寺信夫、火山噴火後に土石流が発生した事例、土木技術資料、vol.52、No.3、p.34-39、2010
[3] 清水武志・山本望・今森直記・石田孝司、噴火直後における土石流発生評価に対する降灰分布厚推定手法の適用性、日本火山学会講演予稿集、A2-07、2022
[4] 山崎祐介・清水武志・石井靖雄・石田孝司、降雨流出解析と連動した土石流の流出・氾濫解析法、土木研究所資料、No.4419、52 p.+158 p.、2022
二次火山泥流は、過去の実績によれば、10 cm 内外の火山灰層厚の地域における時間雨量 10㎜/h 程度の小規模な降雨によって発生する[2]。したがって、二次火山泥流の氾濫範囲を推定するには降灰層厚や降雨の空間的な分布をそれぞれ初期条件や境界条件として与えることが望ましい。降灰層厚は噴火後時間が経過すればJVDNに登録される様々な機関が調査した実績値を利用できる。また、噴火直後であってもTephra2 などの降灰厚分布推定手法を利用すればある程度の確度で推定できる[3]。一方、降雨は国土交通省XRAINや気象庁降水短時間予報などを活用できる。私たちの研究チームでは、以上のようなデータを入力でき、降雨流出解析と土石流解析を一体とした解析法を提案し、実装したプログラム Debris Flow Simulator for Sabo (DFSS) を開発した[4]。
本発表では、有珠山1977年噴火後に発生した火山泥流に対して、当時の氾濫実績等の調査データとDFSSによる計算結果を比較した結果を示す。それによって、計算手法としての課題や適用性、あるいは二次火山泥流のデータ収集という観点から過去の火山泥流情報の記載などに砂防分野の課題があることを議論する。
引用文献
[1] 阪上雅之・國友優、有史以降の水蒸気噴火またはマグマ水蒸気噴火に関連した火山泥流、地学雑誌、vol.123、No.5、p.283-289、2017
[2] 田村圭司・山越隆雄・松岡暁・安養寺信夫、火山噴火後に土石流が発生した事例、土木技術資料、vol.52、No.3、p.34-39、2010
[3] 清水武志・山本望・今森直記・石田孝司、噴火直後における土石流発生評価に対する降灰分布厚推定手法の適用性、日本火山学会講演予稿集、A2-07、2022
[4] 山崎祐介・清水武志・石井靖雄・石田孝司、降雨流出解析と連動した土石流の流出・氾濫解析法、土木研究所資料、No.4419、52 p.+158 p.、2022